【大紀元日本6月30日】米国食品医薬品管理局(FDA)は6月28日、中国から輸入した水産物から発がん性物質マラカイトグリーン(malachite green)と、フルオロキノロン系の抗生物質が検出されたことで、中国からナマズ、ケイギョ、ウグイ、エビとハモの輸入を禁止すると発表した。
FDAは、昨年10月から今年5月にかけて、中国産水産物を検査してきたが、化学汚染物質と、米国では使用禁止の抗生物質の含有が確認された。食品に使用禁止の化学物質マラカイトグリーン(malachite green)とゲンチアナ・バイオレット(Gentian Violet)のほか、抗生物質のニトロフラン系合成抗菌剤とシプロフロキサシン (ciprofloxacin、 フルオロキノロン系)も検出された。米国の法律は、魚養殖業でのこれらの抗生物質の使用を厳禁している。
マラカイトグリーンとゲンチアナ・バイオレットは染料と殺菌剤である。羊毛や、シルク、天然皮革の染めや、魚類の寄生虫の殺虫によく使われる。1992年、カナダでの研究は、マラカイトグリーンの発がん性が確認され、多くの国では、食品への使用を禁止している。中国においては、着色力が強く安価であることから、魚の消毒や、鮮度の保持、見た目を綺麗にするなどの目的で、よく使用されている。2005年から2006年の間、香港政府は中国産の水産物から基準を超えるマラカイトグリーンを検出したため、一時的に輸入中止の措置を取った。同じ時期に、日本では、中国産うなぎからもマラカイトグリーンが検出され、厚生労働省が検査を強化する措置などを取った。
中国は、米国の水産物輸入元の第3位である。中国産水産品の約半分は人工養殖に頼っている。その輸入量が厖大であるため、FDAはそのうちの5%しか検査できない。FDAの食品安全を担当する主任補佐アチェソン氏は、「これらの違法残留物の含有量が高くなく、すぐにガンを誘発する危険性がないが、消費者は油断してはならない」と話した。問題の水産物の輸入はしばらく禁止され、輸入業者がこれらの残留物の含有量が米国の基準に合格したと証明できるまでに、輸入を再開しない見通しであるという。
中国の養殖業者が抗生物質と使用禁止化学物質を濫用することは、米国連邦と地方政府機構に注目されている。最近では、アラバマ州、ルイジアナ州和ミシシッピー州は、中国産ナマズの輸入を禁止した。FDAの法律執行を主管するギラビイン主任補佐は、「中国の養殖業者が使用禁止の化学物質を使うのは、明らかに下心がある。彼らが自ら使用を止めるまでに、状況の改善はありえない」と指摘した。
一方、中国当局は同日、FDAの発表に反論した。中国商業部の報道官・王新培氏は定例の記者会見で、中国は輸出商品、特に食品の安全問題に「極めて関心を持っている」と発言、「中国の輸出商品の品質は保障されていると断言できる」と反論した。
中国製商品が最近、一連の安全問題により全米で注目され、米国消費者の間では、中国製商品に対する根強い不信感が生じている。5月には、中国から輸入されたペットフードを食べた犬や猫が大量死亡する事件が発生した。パナマなどで格安の偽物有毒原料が代用された中国製風邪薬を服用したため、数百人の患者が死亡した。また、中国製有毒歯磨き粉も相次ぎ発見されたほか、中国で製造された有名玩具に鉛塗料が使われていたのをはじめ、中国製タイヤが製造不良のために、走行中に破裂し、車が横転する死亡事故が発生するなど、中国製品のリコールも相次いでいる。
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