人生観調査、中国大学生は現実的

2006/07/03
更新: 2006/07/03

【大紀元日本7月3日】中国の研究センターがこのほど、中国の大学生たちの人生観に関するリサーチを行ったところ、調査対象者の66%が「実用主義」を信仰すると答え、「共産主義のために奮闘する」と答えた人はわずか1%に過ぎないことが明らかとなった。リサーチに参加した河北大学の李維意教授は、「大学生のイデオロギーが理想的から現実的に変化したことを反映している」と分析した。

中国全土の総合大学11校に通う学生たちの人生観

李教授は、「多くの大学生が高校生の時、大学入試のための厳しい受験勉強と競争を経験し、大学に入れば高額な学費を心配したりする。更に、現在、大学生の就職率も悪く、彼らは自分の将来にかかわる多くの現実的な問題を抱えている」と述べた。

「老三到」(ロウ・サン・トウ)と「新三到」(シン・サン・トウ)

「中国青年報」によると、20年前の大学生と現代の大学生は、「老三到」(ロウ・サン・トウ)と「新三到」(シン・サン・トウ)に分類できるという。20年前の多くの大学生は卒業後、「下部組織」、「国境地帯」、「祖国にとって最も必要とする所」へ赴くこと選択したという。しかし、現在の大学生は卒業後、主に「海外」、「外資或いは合併企業」、「お金がたくさん儲かる場所」へ行くことを選択する。(編集者注:「三到」とは、三つの場所へ行く、或いは赴くという意味)

共産主義を継承する者なし

今回のリサーチの結果は、高い志を持ち精神面における価値を追求する親世代と違って、数多くの大学生は物質的な利益を重視しており、より現実的な人生観を持っていると示した。

「あなたの夢と人生の目標は何ですか」という質問に対し、64.5%の回答者が「仕事を成功させること、そして満足できる生活を送る」という項目を選び、10.6%の人が「幸せな家庭生活」と答え、1.90%の人が「個人の名利」と回答した。また、「自分自身を高めること」と回答したのは14.7%。しかし、「共産主義のために奮闘する」と答えた人はわずか1%であった。

学習の原動力

また、今回のリサーチで、現在、学習の原動力となるものについてアンケートを行ったところ、43.8%の人が「将来いい仕事を見つけるため」であると答え、38.4%の人が「親孝行をしたいから」と答えた。また、勉強の目的について尋ねたところ、43.6%の人が「自己の価値を実現するため」と答え、33.4%の人が「自分の能力を高め、自分自身を高めるため」と答えた。

その他の回答として、「各方面からのプレッシャー」、「国に貢献したい」、「他人に認められたい」がそれぞれ14.0%、9.7%、7.8%であった。

このような現実的な思考は、就職活動についての項目にも現れた。就職活動するときに、何を重視するかという質問に対して、37%の回答者が「自己の価値を実現できるどうかを重視する」と答え、29.4%の人が「収入を重視する」、13.8%の人が「自分の専門に合うかどうかを重視する」、8.3%の人が「国にとって必要である仕事かどうかを重視する」、そして2.6%の人が「社会地位を重視する」と答えた。

現在、新入社員を受け入れる企業側は、大学生の学歴や資格に対する要求をかなり厳しくしている。そのため、数多くの大学生が大学に入った途端に、大学院進学のための準備を始め、専門授業の他に、パソコン技能や英語などに関連する資格を取るための勉強をする。