【大紀元日本9月2日】中国政府は、表現の自由が保障されている米国内でさえも、それを制限する機会を逃さなかった。
9月4日に始まる予定の胡錦涛・国家主席の訪米で、最初の滞在地シアトル市において、大紀元新聞社(The Epochtimes)に対する取材記者証の発行が、サンフランシスコの中国領事館により拒否されたのである。
米国に本部を持つ大紀元は、中国語版で始まり、現在英語を含め8か語版を世界で発行する独立したメディアである。人権問題を含む中国の問題について中国政府の影響を受けない報道で知られ、また同社をさらに有名にしたのが、連載社説「九評共産党(共産党についての九つ論評)」の発表及び、その社説が引き金となった、中共とその関連組織からの脱退運動である。大紀元新聞社が発行する新聞と「九評共産党」は中国大陸ならびに中国政府の圧力により、シンガポールとマレーシアで禁止されており、大紀元記者4人が未だに中国で監禁されている。
中国最高指導者・胡主席が米国で2週間の訪問中、大紀元の記者が報道すると計画されたが、取材に必要な取材記者証の発行が、仲介者である大シアトル地区貿易発展連合を通して否定された。
シアトル商工会議所のサム・キャプラン氏からのメールによると、貿易連合は地元のホスト委員会の中国政府とのパイプとして機能している。 中国政府は、今回の胡主席訪米イベントの責任側であり、取材記者証(media credential)の発行についての最終決定権を持つという。大紀元に記者証を発行しないことは、中国側の決定であるという。
中国政府は、過去の中国リーダーの米国訪問においても、どんなメディアに報道権に与えるのか制御しようとした。 温家宝総理が2003年12月にボストンを訪問したとき、中国の代表団は、大紀元リポーターの温総理の訪問への報道を全力で防ごうとした。 当時、米国財務省検察局、マサチューセッツ州港湾委員会、およびボストン警察は、公衆イベントに出席するレポーターの権利を守っていた。 あるところでは、ボストンの警察官はやむを得ず、レポーターを身体的に妨げようとした温家宝の代表団のメンバーわきへ押しやったこともあったという。
大紀元社は従来から中国当局によるものと思われる、組織的な妨害に見舞われてきた。妨害は、新聞盗難、広告主に対する威嚇と圧力、開催地の賃借への妨害、スタッフの中国での親族への脅威で圧力を掛けるなど考えられるあらゆることを含む。
シアトルでは、胡主席はマイクロソフト、ボーイング、およびワシントン知事・クリスティン・グレゴワールを訪問する予定。 シアトルの後、ワシントンDC、ニュー・ヘイヴン、オタワ、トロント、メキシコ、ニューヨーク市、およびバンクーバーへの訪問を続行する。 これらの訪問地でも大紀元が取材要望を出したが、今のところいずれの訪問地においても記者証の発行はまだ承認されて居らず、「処理中」という。
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