日本の外務省は5日、東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水海洋放出をめぐり、中国が日本の水産物を全面的に輸入停止したことは「全く容認できない」とし、世界貿易機関(WTO)に報告した。中国には、輸入停止の即時撤廃をするよう求めている。
日本政府は1日、原発処理水の放出に関し駐日中国大使館が事実及び科学的根拠に基づかないコメントを掲載していたとして、複数のポイントに分けて逐一反論を行なった。政府は「政治的な目的によってIAEAの活動を貶めることは受け入れられない」とし、「原子力の平和的利用の促進を阻害する極めて無責任な主張」であると非難した。
岸田文雄首相は24日夕、東京電力福島第1原発の処理水放出開始を受けて中国が日本の水産物の全面禁輸を決めたことに関して、外交ルートで即時撤廃を求める申し入れを行ったことを明らかにした。
岸田文雄首相は22日、東京電力福島第1原発の処理水を24日から海洋放出すると表明した。海外の一部にみられる海産物の輸入規制の動きに対して早期撤廃を求めていくとともに、国内消費の拡大や新たな輸出先の開拓に対策を講じると述べた。