トランプ大統領はこれに先立ち、ジョン・ラトクリフ中央情報局(CIA)長官が8月25日にモスクワを予告なしに訪問したことを確認していた。
トランプ米大統領は8月27日、大統領執務室での記者会見で、ロシアのプーチン大統領が北大西洋条約機構(NATO)加盟国を攻撃し、ウクライナとの戦争を拡大することはないと述べた。
プーチン氏がNATO加盟国を攻撃しないことに同意したのかと問われたトランプ氏は、「彼とは良い話し合いをしてきた。彼がNATO加盟国の領土を攻撃することはない」と述べた。
トランプ氏の発言の前日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル、米政治専門紙ポリティコ、ABCニュースは、ジョン・ラトクリフCIA長官が8月25日にモスクワを予告なしに訪問し、NATO加盟国を攻撃しないようロシア側に警告したと報じていた。
これらの報道について確認を求められたトランプ氏は8月27日、記者団に対し、「それについてはコメントしたくないが、彼らが攻撃することはない」と述べた。
これに先立ち、トランプ氏は同日、ニュースサイト「アクシオス」から、ロシアがNATO加盟国に攻撃を仕掛ける可能性について質問された。トランプ氏は「懸念していない」と述べ、「問題はない」とした。また、CIA長官のモスクワ訪問については「通常の業務」だったと説明した。
「ラトクリフ氏は半年に一度、または1年に一度、ロシア側の同職者と会っている。両者は非常に良好な関係にある。何らかのメッセージがあったわけではなく、異例のこともなかった」と、トランプ氏はアクシオスに述べた。
一方、ロシア外務省は8月27日、フランスと英国が「火遊びをしている」と警告した。両国は「組み立ての役割をウクライナへ移し、ロシア領内への縦深攻撃に対する責任を回避しようとしている」ため、予測不能な結果に直面する可能性があるとした。
英国のアンディ・バーナム首相は8月24日のキーウ訪問中、英国の「ストームシャドー」ミサイルのフランス製版である「SCALP」ミサイルの製造に使われる英国製部品について、機密の技術情報をウクライナへ提供すると発表した。
ロシア外務省は8月27日、Xへの投稿で、「英国政府は、ストームシャドー・ミサイルを独自に製造する技術をウクライナ政府へ提供する用意があるとしている」と記した。
さらに、「われわれは繰り返し警告してきた。英国製兵器を使用した攻撃は、ウクライナ国内や国外にある英国軍施設への報復を引き起こす可能性がある」とした。
ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官も、英国が決定を撤回しなければ「避けられない破滅的な結果」が生じると警告した。ザハロワ氏は8月27日の記者会見で、英国製兵器を使用したウクライナの攻撃への報復として、ロシアが英国の軍事目標を攻撃する可能性があると述べた。
ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は8月26日、ラトクリフ氏がロシアの情報当局者と会談した一方、プーチン氏とは会わなかったことを確認した。
ロシアのメディアは、8月25日に米空軍機がモスクワのブヌコボ空港で確認されたと報じていた。米外交官用のナンバープレートを付けた車両の一団も、モスクワ市内で確認されたという。
航空機追跡サイト「フライトレーダー24」のデータによると、米国で登録された機体番号「07-7181」のボーイングC-17AグローブマスターIII輸送機が8月25日朝、ラトビアのリガ空港を出発し、モスクワのブヌコボ国際空港に着陸した。
ラトクリフ氏の訪問以前に、米国で登録された航空機が欧州からロシアへ直行したのは1月が最後だった。この際には、スティーブ・ウィトコフ、ジャレッド・クシュナー両特使がプーチン氏と会談し、ロシアとウクライナの戦争について協議した。
米政府高官による予告なしの訪問はこれまで、非公式の連絡経路を通じてロシアに警告を伝える手段として利用されてきた。2021年11月には、当時CIA長官だったウィリアム・バーンズ氏がモスクワを極秘訪問した。これはロシアが2022年2月にウクライナへ侵攻する数か月前のことだった。
エメル・アカン、オーウェン・エバンス両氏が取材に協力した。
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