中共 上場企業100社超に77億元の追徴課税 地方財政の逼迫が背景

2026/08/27
更新: 2026/08/27

ブルームバーグは8月25日、中国で2026年上半期に100社を超える上場企業が中国共産党(中共)当局から税金や延滞金の追加納付を求められ、その総額が77億元に達したと報じた。景気低迷で地方財政が圧迫されるなか、中共当局による追徴課税が上場企業に大きな打撃を与えている。

報道によると、多くの企業は追加納税によって上半期の利益の大半を吐き出した。2026年1~6月に上場企業が追納を求められた税額は、習近平が2012年に政権を握ってから2025年までの14年間の追徴税額の合計を上回った。

地方財政が逼迫 企業へ税務調査

大規模な追納の背景には、地方政府が新たな財源の確保を急いでいることにある。国内需要の低迷により、税収は2023年のピークから減少。地方政府が長年大きく依存してきた土地譲渡収入も、2桁の減少率で落ち込んでいる。

中国西部のある都市に勤務する匿名の税務当局者は、当局が資金力のある大企業や上場企業を追徴課税の対象にしていると明かした。別の当局者も、北京の税務当局が地方に対し、こうした通知を出すよう圧力をかけたものの、地方当局者が抵抗したと証言した。

中国では長年、各地方政府が税還付や補助金、税制優遇を打ち出して投資を呼び込んできた。財政難に陥り、公務員給与の支払いや交通路線の維持すら難しい都市でも、経済成長目標を達成するため、さまざまな優遇策で企業誘致を続けている。

中国中部で家電メーカーを経営する高さんは、政府の財政収入が不足する一方、新たな税源を見つけるのも難しいため、既存の税源からさらに税収を絞り出していると話した。高さんによると、地元の税務当局は2025年半ばから税務執行を強化し、ほぼすべての企業を対象に全面的な点検を行った。

上場企業が相次ぎ追加納税を公表

今年に入り、中国の上場企業が相次いで追加納税に関する発表を行っている。各社によると、税務当局から「自主点検」を求められた後に大半の税務上の問題が判明した。各社は行政処分は受けていないと強調している。

中共は2021年から税務管理システム「金税四期」を導入し、税務データを銀行、税関、市場監督、社会保障などのデータベースと連携させた。2025年には全国の電子発票(インボイス)システムをほぼ整備し、当局は大半の商取引をリアルタイムで把握できるようになった。これにより、税金の過少申告を隠すことも難しくなっている。

中国西部の中共当局者によると、「金税四期」は問題を自動的に検出し、税務当局が正式な調査に入る前に企業へ自主点検を求める仕組みになっている。2025年末以降は税務執行を明らかに強化したという。

巨額の追納を求められる企業も

分析によると、今回の追徴では、税制優遇の不適切な利用や、過大に申告した付加価値税(VAT)の控除、優遇対象の資格を失った後も適用を受けていた税制優遇分などについて、企業に税金の追納や延滞金の支払いを求めている。

過去10年間、多くの上場企業が何らかの税制優遇を受けてきた。中信証券が今年初めにまとめた分析では、A株上場企業の約64%が法人所得税の優遇税率の適用を受けていた。

6月末までに、追加納税の影響が最も大きかった10社だけで、上場企業が公表した追納額全体の70%以上を占めた。

追納額が最も大きかったのは農業大手の北大荒で、税金と延滞金を合わせて約14億1千万元に上る。このうち税金が約10億2400万元、延滞金が約3億8600万元だった。

北大荒は上場から20年以上、上半期に赤字となったことがなかった。しかし、過去に受けた税制優遇に関する税金の追納を求められ、その額は2025年の純利益の120%に相当する。この影響で、黒竜江北大荒は今年上半期に約5億3700万元の赤字となる見通しだ。

このほか、鉱業、エネルギー、テクノロジーなどの企業にも影響が及んでいる。雲南銅業、太極実業、愛爾眼科、電子機器卸売会社の愛施徳などを含む。

公開資料で確認できる追納額は、雲南銅業が約5億1200万元、愛施徳が約3億800万元。太極実業と愛爾眼科は具体的な金額を公表していない。

林燕