4台風が相次ぎ発生 中国南部で洪水拡大 広西に深刻な被害

2026/08/26
更新: 2026/08/26

中国では災害が相次いでいる。台風が相次いで発生し、華東や華南の広い範囲で大雨が降った。さらに各地のダムが相次いで緊急放流したことで洪水被害が拡大し、土石流や地滑りなども発生している。広西チワン族自治区では各地が再び深刻な洪水に見舞われ、被災者が動画を投稿して救助を求めたものの、投稿を規制されるケースも起きている。

今年の台風18号、19号、20号、21号は、わずか6日間に相次いで発生した。8月24日からは、海上に4つの台風が同時に存在する異例の状況となった。

このうち台風19号と20号は広東省を両側から挟む形となり、広東省北部と東部、珠江デルタ地域では、2つの気流の影響で広い範囲に大雨が降った。

台風20号は24日正午、福建省泉州市の張坂鎮沿岸に上陸した。上陸時の中心付近の最大風力は8級で、その後も北西へ進んだ。一方、台風19号はさらに勢力を強め、25日以降は北東へ進路を変え、広西チワン族自治区南東部から広東省雷州半島西側にかけての沿岸部に接近した。

台風19号の影響で、広西では23日から各地で大雨や豪雨となり、局地的には猛烈な雨が降った。25日までに14河川の20観測所で水位が警戒水位を超え、各河川では現在も水位の上昇が続いている。鬱江では2026年2回目となる洪水が発生した。

広西の三大ダムの一つ、那板ダムも緊急放流を行った。放流により、防城港市や崇左市寧明県、竜州県などで深刻な洪水被害が発生した。

動画には、崇左市寧明県で濁った洪水が多くの住宅に流れ込み、住民が屋根や高い場所へ避難する様子が映っている。中国メディアによると、寧明県の興寧大道東付近では浸水の深さが約4メートルに達した。

寧明県の住民によると、洪水はすでに住宅の1階をのみ込み、多くの住民が取り残され、救援を待っている。

寧明県住民の李さんは「水は橋の高さまで来ている。橋の東側はすでに完全に浸水し、1階を越えて、おそらく2階まで水が来ている。ごみや流木が大量に流れ着き、ショベルカーが夜通し撤去している。周辺の町や村では通信も電気も途絶え、多くの道路で土砂崩れが起きている」と語った。

寧明県の当局者によると、寧明大橋付近の川には漂流物が100メートル以上にわたってたまっている。総量は約2万立方メートルと見積もられ、これまでに約2千立方メートルを撤去した。

崇左市の住民は、現地では3年連続で洪水に見舞われ、被害は年々深刻になっていると話した。今回は予想を上回る勢いで水位が上昇したため、一睡もせず家財の移動に追われたという。

崇左市の市民、黄さんは「3年連続で浸水している。去年よりひどく、今も水位は上がっている。城北路の中華城前はごみだらけだ。1階も地下室も水につかり、エレベーターも浸水している。みんな荷物を運び出している」と述べた。

防城港市上思県の在妙鎮でも広い範囲が冠水した。動画には、濁った洪水で道路や周辺の村が広く浸水し、沿道の店舗や住宅が水につかっている様子が映っている。

中国のライブ配信者は「広西でこれほど大きな洪水が起きているのに、SNSのトレンドにも上がっていない。どう考えてもおかしい」と話した。

一方、被災者が救助を求めて投稿した洪水動画が、プラットフォーム側に規制された。また、洪水で車が流される動画が投稿後に通報された。

被害は広西にとどまらない。大雨が続いた四川省楽山市馬辺県でも22日、大規模な洪水が発生し、多くの車両のほか、沿道の店舗や住宅にも大きな被害が出た。

馬辺県に住む張さんは「通りは今、目も当てられない状態だ。被害が大きすぎて、堆積した泥の撤去が追いつかない。物資も非常に不足している」と嘆いた。

8月23日未明には、雲南省臨滄市鳳慶県鳳山鎮安石村で地滑りと土石流が発生した。地元当局は24日、4人が死亡し、2人が行方不明になっていると発表した。

8月24日には、遼寧省丹東市でも激しい雨が降り続いた。丹東市気象台は大雨の赤色警報を相次いで発令し、各地で深刻な浸水被害が発生した。しかし、官製メディアはこの被害をほとんど報じていない。

さらに今後も警戒が必要だ。台風21号は25日に北西太平洋上で勢力を弱めたが、猛烈な勢力の台風18号はすでに中国の「48時間警戒線」に入り、西北西へ速いペースで進んでいる。26日に東シナ海へ入った後は西南西へ進路を変え、27日夜から28日午前にかけて浙江省から福建省の沿岸部に上陸すると予想されている。

浙江省は8月24日午後2時、台風に備えて海上防災の緊急対応を開始した。福建省も25日、洪水・台風に対する緊急対応を2級に引き上げた。北京市でも同日、雷の黄色警報と山洪災害リスクの黄色警報を発令した。