防衛装備庁 国産迎撃ドローン「Terra B1」を量産へ 迅速調達でテラドローンと契約

2026/08/26
更新: 2026/08/26

防衛装備庁は25日、テラドローン株式会社との間で、国産迎撃ドローン「Terra B1」の量産契約を締結した。2026年2月に整備された迅速な装備取得の枠組みを活用し、募集から約3か月で量産契約に至った。

ウクライナや中東では、比較的安価な自爆型無人航空機(UAV)が大量に投入され、高額な迎撃ミサイルを使う防御側とのコスト差が課題となっていた。

安価な無人機への対処が課題

ウクライナや中東では、イラン製の「シャヘド」やその派生型であるロシアの「Geran-2」などの比較的低コストな自爆型無人機が大量に運用されている。また、中国による「サンフラワー」の数万機規模に及ぶ大規模な生産・運用や、北朝鮮による量産体制構築の表明など、無人機の脅威は世界的に急速な高まりを見せている。

こうした無人機に対し、従来の高価格な迎撃ミサイルだけで継続的に対処することは、防御側の費用対効果の不均衡や迎撃弾の消耗・枯渇を招く。大量に運用される無人機の脅威へ対応するためには、迎撃手段自体のコストを大幅に抑えることが不可欠な課題となっている。

日本周辺でも、中国の偵察・攻撃型無人機「WL-10」や「GJ-2」が日本周辺で確認されるほか、北朝鮮も自爆型無人機の量産体制構築を表明し、他国の無人機を巡る動きが活発になっている。

約3か月で量産契約

今回の調達では、2026年2月に整備された「ファストパス調達」制度が活用された。

従来の防衛装備品は、開発や試験、契約などに長期間を要する場合がある。一方、無人機を巡っては、ウクライナの戦場で技術や運用方法が短期間で更新されており、装備取得にも迅速性が求められている。

今回の早期取得プログラムでは、2026年7月に候補を選定し、7月から8月にかけて実証試験を実施。その後、8月25日に量産契約を締結した。募集から契約までの期間は約3か月だ。

従来のように長期間をかけて完成度を高めてから導入する方式だけでなく、既存技術を早期に取得し、運用を通じて改善していく考え方を取り入れた形である。

国内生産基盤も検証

防衛装備庁が実施した公募プログラムには38社から提案が寄せられ、資料審査などを経て、実証試験に使用する供試器材として4つの機種が選定された。実証試験は海上自衛隊が企業に委託する形で実施され、選ばれた4機種の内訳は、1機が日本製の機体、残り3機が海外製(ポルトガル、ドイツ、米国の企業が製造)であった。

各機種には、終末誘導の自動化、VTOL(垂直離着陸)性能、GCS(地上管制システム)の拡張性などの共通要件が設定された。

これに加え、4つの実証機種にはそれぞれ異なる固有の特性要件が設定された。具体的には、「単一の管制装置による複数ドローンの運用性能」「他と比較して長い最大射程」「国内生産基盤の整備」「迎撃に優位な最高速度」の4項目が各機種にそれぞれ割り当てられて検証された。

テラドローンが提案した国産機においては、このうち「国内生産基盤の整備」が最重要の検証項目として位置づけられていた。

有事には半導体や電池、通信機器などの供給が滞る可能性があり、迎撃用無人機を継続して運用するには、機体性能だけでなく、国内で生産や整備を続けられる体制も重要となる。

ウクライナ企業の技術を活用

テラドローンは2026年6月、ウクライナの迎撃ドローン企業Amazing Drones社とWinnyLab社を子会社化した。

同社の「Terra A1/A2」は同年春、ウクライナで「シャヘド」の迎撃に成功しており、そこで得られた技術や運用上の知見が「Terra B1」に活用されている。

Terra B1は、物理的な衝突などによって低コストで無人機を迎撃する方式を採用する。国内での生産に加え、整備や教育を含めた運用体制の構築も想定されている。

テラドローンは8月25日の契約締結後、2026年9月の納入を予定しているとし、契約から量産機の納入まで短期間で進める計画だ。

防衛分野でスタートアップ活用

防衛装備品ではこれまで、長期間の研究開発や試験を経て性能を確定させる方式が中心だった。一方、無人機など技術更新の速い分野では、既存技術を迅速に導入し、運用結果を次の改良へ反映する手法の重要性が増している。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます