台湾軍の退役少佐、李海鵬被告は、退役後、中国側に協力し、軍事機密を集めて提供した。軍務に就いていた息子2人にも機密文書の提供を求めたという。
台湾高等法院は8月25日、差し戻し後の控訴審で、李海鵬被告に懲役11年6か月、長男の李輿聖被告に懲役2年1か月、次男の李楚庠被告に懲役16年を言い渡した。
捜査当局によると、李海鵬被告は24年前に少佐として退役した後、中国人観光客の誘致事業に携わっていた。その後、中国側に取り込まれ、台湾の軍事機密を収集していたことが判明したという。
李海鵬被告は、花蓮の空軍部隊で少佐を務めていた李文生被告に、職務上保有していた機密文書を中国軍側に提供するよう持ちかけた。旅行接待や報酬の分配を提案し、賄賂を渡していたという。
李文生被告は、「秘」や「機密」に区分された文書を紙のまま、または撮影してメモリーカードやUSBメモリーに保存し、李海鵬被告に渡していたとされる。李海鵬被告はその後、中国側関係者に引き渡したという。李文生被告は報酬として1万米ドル(約150万円)のほか、韓国旅行の接待を受けた。
軍務中の息子2人に機密文書の提供を要求
李文生被告の退役後、李海鵬被告は軍務に就いていた長男と次男に、機密文書を提供するよう求めた。中国側の担当者とともに、旅行接待や金銭の提供を通じて、次男の李楚庠被告に協力を求めていた。
中央通信社によると、裁判所は、李楚庠被告が父親の求めに応じ、複数の軍事機密文書を無断で基地の外に持ち出したと認定した。文書をスキャンして電子データにし、メモリーカードに保存して父親に渡していたという。
李楚庠被告はまた、「両岸の平和統一を支持する」などと記された書面に署名し、中国側に協力する意思を示したとしている。
2012年には、李海鵬被告が妻、李楚庠被告、同被告の交際相手とともに、中国側の招待でマレーシアを訪れ、中国側関係者と面会した。裁判所は、この時点で李楚庠被告が、父親が中国側のためにスパイ活動をしていたことを認識していたと判断した。それでも帰国後、軍事資料の提供を続け、兄から入手した機密文書をスキャンして保存する作業にも関わっていたと認定した。
差し戻し控訴審で次男に懲役16年
第一審では、李海鵬被告に懲役4年、李輿聖被告に懲役2年2か月、李楚庠被告に懲役2年4か月、李文生被告に懲役3年2か月が言い渡された。しかし、最高法院は第一審判決を破棄し、台湾高等法院に差し戻した。
差し戻し後の控訴審では、李文生被告に「敵側のスパイ活動を幇助した罪」で懲役15年を言い渡した。李海鵬被告については、国家機密保護法違反などの罪に加え、賄賂を渡した罪2件が成立すると認定した。捜査段階から、公判に至るまで犯行を認めていたことを考慮し、刑を減軽した上で、併合罪として懲役11年6か月とした。
李楚庠被告については供述の一部が証拠と一致しなかった為、ほかの罪とあわせた刑で懲役16年である。
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