台湾 国防予算を18%増額へ 初の1兆台湾元超 GDP比3%超に

2026/08/21
更新: 2026/08/21

台湾行政院は2027年度の中央政府総予算案を閣議決定し、国防関連予算を前年度比18.2%増の1兆11225億台湾元(約5兆6000億円)へ拡大する方針を示した。予算は初めて1兆台湾元を超え、GDP比も3%を上回る。中国による軍事的圧力が続く中、台湾は防衛力と海上保安能力の強化を急ぐ。

台湾の行政院は20日、2027年度(民国116年度)の中央政府総予算案を閣議決定した。8月末までに立法院へ提出する予定である。

財政の健全性を保ちながら、経済成長の成果を賃金の引き上げや社会福祉、国民負担の軽減、公共建設に充てる方針である。

国防関連予算は前の年度より1,730億台湾元(約8,650億円)増え、18.2%増となる。特別予算などを含む全体の規模は1兆1,225億台湾元で、初めて1兆台湾元を超える。GDPに占める割合は3%を上回り、過去最大となる。

歳入、歳出はいずれも3兆9,266億台湾元を見込み、収支は均衡する見通しである。国債の元本返済に1,790億台湾元を充てる一方、同額を国債発行などで調達する。借入額と返済額を同額とし、実質的な債務残高を増やさない方針である。特別予算分を含む借入額は1,968億台湾元となる。

初の1兆台湾元超 GDP比3%超の防衛支出

国防部が所管する予算は6,919億台湾元(約3兆4,600億円)である。特別予算2,182億台湾元と非営業特種基金607億台湾元を加える。

さらに、退役軍人らへの年金給付や海巡署の支出を含めると、国防関連支出は1兆1,225億台湾元(約5兆6,000億円)となる。海巡署は、日本の海上保安庁に当たる組織である。

GDPに占める割合は、2026年度のGDP見通しを基準にすると3.93%、2027年度の見通しを基準にすると3.01%である。

台湾政府は、国防関連支出には海巡署の経費、退役軍人に関する給付、米国製兵器の調達に充てる特別予算などが含まれるとしている。

現金給付・社会福祉・公共建設も拡大

国民への一律現金給付には2,357億台湾元(約1兆1,800億円)を計上した。1人当たり1万台湾元(約5万円)を支給する予定である。

公務員、教職員、軍人の待遇改善には392億台湾元を充てる。社会福祉関連予算は1兆1,889億台湾元で、前の年度より41.1%増える。

非営業特種基金を含む社会福祉関連支出は1兆3,438億台湾元で、前の年度より34.4%増える。家庭支援には3,295億台湾元を充てる。

労働保険基金には1,300億台湾元、健康保険基金には600億台湾元を拠出する。「健康台湾深耕計画」には100億台湾元を計上した。

中小・零細企業向けの支援策は222億台湾元で、前の年度の約3倍となる。特種基金などを含めると、総額は250億台湾元である。

教育予算は3,728億台湾元、文化関連予算は323億台湾元である。スポーツ関連予算は219億台湾元、治水予算は570億台湾元となる。

公共建設には3,794億台湾元を計上し、前の年度より31.6%増える。地方政府への一般補助金や計画型補助金は3,854億台湾元で、前の年度より37.2%増える。

行政院長、早期の審議を要請

卓栄泰行政院長は、2026年度の中央政府総予算について、立法院が480億台湾元を削減し、348億台湾元分の執行を凍結したことに触れた。

一部の事業や行政機関では、大幅な削減や凍結により、通常業務に影響が出るおそれがあると指摘した。

卓氏は各省庁に対し、凍結された予算の解除に向けて対応を進めるよう求めた。その上で立法院に対し、法定期限内に2027年度予算案の審議を終えるよう呼びかけた。

鍾元