中国がロシア産原油を大量調達 イラン戦争で減った中東依存を補填

2026/08/06
更新: 2026/08/06

最新の情報によると、中国の国有企業「中国石油化工集団有限公司」(Sinopec、中石化)は、イランでの戦争による中東の原油供給の減少に対応するため、ロシア極東産の原油の調達を大きく増やしている。

ロイターが事情に詳しい関係者の話として伝えたところによると、中石化はロシア東シベリア・太平洋(ESPO)ブレンド原油を30~40隻分購入しており、引き渡しは7月から9月にかけて行われる予定である。これは日量約24万1,000~32万バレルにあたり、同社の1日あたり520万バレルの製油能力の5~6%に相当する。

イギリスのエネルギーデータ分析会社Vortexaの中国原油市場チーフアナリスト、エマ・リー(Emma Li)氏によると、中石化は7月に約740万バレルのESPO原油を受け入れ、その多くが山東省の日照港に運ばれた。8月と9月についても、それぞれ少なくとも10隻分を追加で購入しているという。

中石化は具体的な調達状況についてはコメントをせず、「日常の経営に関する事項は公表していない」とだけ述べた。

サウジからの輸入激減と中国全体の原油輸入減少

報道によると、イランでの戦争が起きる前は、中石化が調達する原油の約半分が中東産であり、中石化はサウジアラビアにとって最大級の顧客の一つだった。複数のトレーダーによれば、中石化は6月と7月にはサウジ産原油を一切購入せず、8月の購入量も約200万バレルにとどまった。これは、3月と4月の月間約2,000万バレルという水準を大きく下回り、戦争前の月平均約1,100万バレルの5分の1にも満たない。

イランでの戦争が始まったあと、中国全体の原油輸入量は大きく減少した。Vortexaの統計によると、6月の輸入量は前年の同じ月と比べて41%減った。ただ、7月と8月に成品油の輸出枠の制限が一部緩和されたのを受けて、製油企業は調達の方針を見直し、輸送コストが比較的低く、供給がより安定している原油を選ぶ動きを強めている。

ロシア産原油の価格優位と輸送コストのメリット

市場関係者によると、9月積みのESPO原油は、北海産の代表的な指標であるブレント原油に比べて1バレルあたり1~2ドル安く、中東のオマーン原油やブラジルのトゥピ(Tupi)原油よりも約10ドル割安となっていて、価格の面で優位性がはっきりしている。

報道によれば、中石化は、アメリカが2025年10月にロシアのロスネフチ(Rosneft)やルクオイル(Lukoil)に制裁を科したあと、一時的にロシア産原油の購入をやめていたとされる。今年3月から4月にかけて、アメリカが一時的に制裁を一部免除した期間中に調達を再開し、その後、イランでの戦争による供給の逼迫を受けて、購入量をさらに増やしたという。

複数の事情に詳しい関係者によると、中石化が最近購入しているESPO原油の取引には、アメリカの制裁の対象となっている企業や団体は直接関わっておらず、仲介業者を通じて取引が行われている。また、ロシアによるウクライナ侵攻以降、中石化がロシア産原油を購入する際の支払いは、主に人民元で行われている。

王君宜
王君宜