ニュージーランドの公共放送RNZは7月1日、中共が新たに施行した「民族団結進歩促進法(民族団結法)」をめぐり、ニュージーランドのウィンストン・ピーターズ外相が、同法はニュージーランド国内で「いかなる法的効力も持たない」と述べ、懸念はないとの認識を示したと報じた。
これに先立ち、オーストラリア政府は北京に対し、同法について異議を申し入れている。同法の一部規定が「中国国外にいる個人の権利と自由を制限する可能性がある」としている。
ピーターズ外相「法的効力はない」
ピーターズ氏は1日、ニュージーランド議会でRNZの取材に応じ、同法にどのような規定があっても、海外で効力を持つものではないと述べた。
同氏は「まったく心配する必要はない。法的な根拠がないからだ」と語った。
さらに「彼らはそう主張することはできるかもしれないが、実際に運用できるという意味ではない」と指摘した。
そのうえで、「ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、イギリス、その他どこの国であっても、この法律に法的効力はない」と述べた。
中共の外相にこの問題を提起する考えがあるか問われると、ピーターズ氏は「法的効力がないのに、なぜ私がこの問題を取り上げる必要があるのか」と答えた。
同氏はまた、「ニュージーランドに来るなら、ニュージーランドの法律を守り、国旗を敬い、民主制度を尊重しなければならない。そうでないなら、来なくてもいい」と述べた。
中共当局は、この法律について、社会の結束と民族の団結を促進するものだと説明している。一方、人権団体は、少数民族に対する同化政策をさらに強めるものだと批判している。
同法には、中国国外の個人や組織であっても、「民族団結と進歩」を損なったと判断されれば、法的責任を問われる可能性があるとの規定も盛り込まれている。
ACT党議員、政府に中共側への抗議求める
ニュージーランドのACT党のローラ・マクルア議員は1日、RNZの番組「Midday Report」に出演し、ピーターズ氏に書簡を送り、中共側にこの問題を直接提起するよう求める考えを示した。
マクルア氏は「この法律は、北京が自国の影響力を国外にまで及ぼせると考えていることを意味する。ニュージーランド、オーストラリア、カナダといった自由で民主的な国で暮らす人々を威嚇したり、処罰したりする可能性がある」と述べた。
マクルア氏は、対中政策をめぐる各国議員の国際組織「対中政策に関する列国議会連盟」のメンバーでもある。同氏は、この法律がニュージーランド在住の中国系住民に影響を及ぼす恐れがあると指摘した。
同氏は「ニュージーランドでは、中共当局からの威嚇を恐れ、抗議活動や台湾関連の行事に公然と参加できない中国系住民がすでにいる」と述べた。
そのうえで、「この法律によって、そうした威嚇行為がさらに強まることを防がなければならない」と訴えた。
マクルア氏は、ニュージーランド政府が中共側に対し、明確な立場を示すべきだと述べた。
「ニュージーランドは主権国家であり、独自の法律を持つ国だということを、中共側にはっきり伝えるべきだ」
「ここで生まれた人であっても、移民としてニュージーランドに来た人であっても、私たちはすべての住民の権利と自由を守る」
マクルア氏は過去に台湾を訪問したことを理由に、ほかのニュージーランド国会議員3人とともに、中共から1年間、入国を禁止されたことがある。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。