ニュージーランドのクリストファー・ラクソン首相は9日、オーストラリアとフィジーが締結した防衛同盟への参加を検討していると明らかにした。ラクソン氏は、すでに両国の首相と協議を始めていると認めたうえで、早期に加わることで、今後の同盟拡大の方向性にも関与できるとの考えを示した。
この「平和の海同盟」は、フィジーをオーストラリアにとって数少ない条約に基づく同盟国の一つとし、両国が「共同防衛」を約束する内容となっている。条約が締結された背景には、南太平洋で影響力を強める中国共産党(中共)を抑止するため、オーストラリアが地域の安全保障体制の立て直しを急いでいる事情がある。フィジーにとっては、史上初の正式な軍事同盟条約となる。
オーストラリアとフィジーは、軍を持つ他の太平洋諸国も同盟に参加できるとしている。長期的な狙いは、中共が南太平洋で新たな軍事拠点を確保するのを防ぐため、多国間の安全保障網を築くことにある。同条約の署名から数時間後、中共は太平洋上で、核弾頭搭載可能な長距離ミサイルの発射実験を行い、国際社会から非難を浴びた。
7月9日、ラクソン氏は「フィジーとオーストラリアが今週、軍事同盟国となることを表明した。ニュージーランドはこれを歓迎する」と述べた。
「ニュージーランドとオーストラリアには緊密な結びつきがあり、防衛協力も深まっている。同時に、われわれはフィジーとも強く長期的な関係を保っている。地域の安全を高めるため、すでに両国と協力してきた。この同盟をめぐり両国と協議するのは自然な流れだ」
ニュージーランドのウィンストン・ピーターズ外相は9日、中共による大陸間弾道ミサイルの発射実験について「深く憂慮すべきものだ」と述べた。ピーターズ氏は、太平洋地域の指導者らが長年、地域の安全保障問題は太平洋地域の国々が主導して対応すべきだと訴えてきたと指摘した。
「同盟を通じて、オーストラリア、フィジー、そして他の太平洋諸国との長年の関係をさらに高い段階へ引き上げることは、協力関係を一段と深めることにつながる」とピーターズ氏は述べた。
ニュージーランドのクリス・ペンク国防相も9日、今回の動きについて「太平洋の結束を強め、多国間の防衛枠組みづくりにつながる機会になる」と語った。
ピーターズ氏は週初め、中共によるミサイル発射実験は太平洋諸国の意向に反するものだと述べていた。同氏は、太平洋諸国が「この地域を外部勢力の軍事競争に巻き込まれる場にしたくないと明確に示している」と強調した。
「今回の発射は、南太平洋の平和と安定に反する」とピーターズ氏は述べ、こうした行動は「いまや中共に繰り返し見られるパターンになっているようだ」と指摘した。
AFP通信が先月入手した内部文書によると、ニュージーランド国防軍は非公開の場で、中共海軍の進出や大陸間弾道ミサイルの発射実験が、太平洋地域で今後も続く傾向になると警告していた。
新たな太平洋構想
ニュージーランド・ワイカト大学の国際法教授アル・ギレスピー氏は、ニュージーランドがこの同盟に加われば「非常に重要な意味を持つ」と指摘する。従来のオーストラリア・ニュージーランド間の防衛関係を超え、ニュージーランドが他の太平洋島しょ国に対して明確な防衛義務を負う初のケースになるためだ。
ギレスピー氏によれば、この同盟はNATO型の集団防衛の考え方を取り入れているが、軍事的義務はNATOほど強くないという。加盟国の一つに対して武力攻撃が発生した場合、他の加盟国はそれぞれの国内手続きに基づき、共通の脅威に対応するとしている。
ギレスピー氏は、この仕組みによって「情勢が緊迫した際にも、各国に一定の裁量が残される」と説明した。
「これは新たな太平洋構想の始まりになる可能性がある。その中で、太平洋地域の他の民主主義国にも参加が促されることになるだろう」と同氏は述べた。
またギレスピー氏は、中共がこの動きを歓迎することはないだろうとし、この協定は「主に中共を念頭に置いたものだ」と指摘した。特に、将来的に太平洋地域を軸とするより広い同盟の中核へと発展する場合、その意味はいっそう大きくなるという。
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