南シナ海で対中けん制 米がフィリピンに海上ドローン4機供与

2026/06/25
更新: 2026/06/25

米国はフィリピン軍に対し、海域監視能力の強化を目的として海上ドローン4機を供与した。南シナ海で中国共産政権との領有権問題に直面するフィリピンを支援する狙いがある。

在フィリピン米国大使館は6月23日の声明で、供与されたのは米オーシャン・エアロが製造した水上無人機「トリトン」4機で、総額は1300万ドル(約19億円)に上ると発表した。米国は今回の供与について、フィリピンおよび「自由で開かれたインド太平洋」への関与を示すものだとしている。

近年、中共政権は南シナ海で強硬的な姿勢を見せており、2016年の国連海洋法条約(UNCLOS)に基づく仲裁裁判で法的根拠が否定された後も、スカボロー礁を含む海域に対する権利を主張し続けている。

今月初めには、フィリピン政府が中共に対し、スカボロー礁周辺に設置された浮遊構造物などの撤去を要求した。これに対し中共当局は、中共に関する「誤った発言」を行ったとして、フィリピンのギルベルト・テオドロ国防相に制裁を科した。

ブリジット・ウォーカー駐フィリピン米大使館臨時代理大使は、今回供与されたドローンについて「能力、迅速性、そして広範な到達力をもたらすものだ」との見方を示した。

さらに「インド太平洋の海洋領域は広大で、競争が激しく、極めて重要な地域であり、その中心にフィリピンが位置している」と強調した。

また、米国から供与されたこれらのドローンは中共による「グレーゾーン戦略」への対処に加え、違法操業の監視にも活用できるとの見方を示した。

米ミシシッピ州ガルフポートに本拠を置くオーシャン・エアロ社によると、「トリトン」は世界で唯一の自律型水上・水中両用無人機(AUSV)だという。海面上と海中の双方でデータを収集し、自律航行や潜航を行いながら情報を送信できる。

米大使館によれば、太陽光発電を利用するトリトンは最長30日間にわたり遠隔での運用が可能で、長期間の海域監視任務に適している。

米国は近年、インド太平洋地域で同盟国の防衛能力強化を積極的に支援している。今年2月には日本の自衛隊と、米国およびフィリピンの海軍が南シナ海で合同演習を実施し、4月には米比両軍が上陸作戦訓練を行った。