中国で今、フードデリバリー業界が限界を迎えている。
景気低迷と深刻な就職難を背景に、多くの失業者や若者が配達員の仕事に流れ込んだ結果、今度は配達員同士が仕事を奪い合う事態になっている。
上海や河南省洛陽市などでは、配達員向けアプリにログインしようとしても、「現在、配達員が多いため順番待ちです」と表示され、働きたくてもすぐに仕事を始められないという。

SNSでは、生活苦に追い詰められた配達員の悲痛な訴えが注目を集めた。
ある男性配達員は路上にひざまずき、「もうすぐ電動バイクのバッテリーを買い替えないといけないのに、家賃も払えない。お願いだから、もうこれ以上この業界に入ってこないでくれ」と涙ながらに訴えた。
その姿は、仕事を求める人たちが互いに仕事を奪い合う、中国社会の厳しい現実を象徴していた。
中国メディアによると、現在の配達員は全国で約2千万人に達している。一方で、実際に必要とする人数は約400万人程度とされ、5人で1件の仕事を奪い合う状態だという。
近年の中国では、就職できない若者や失業者にとって、配達員は「最後の受け皿」とも言われてきた。
しかし今、その受け皿にも人があふれ始めている。配達員が多すぎて、働きたくても仕事が回ってこない。
ネット上では、「そのうち配達員もお金を払って優先的に仕事を回してもらう時代になるのではないか」「配達の仕事をするにもコネが必要になりそうだ」など、悲観的な声が相次いだ。
中には、「もし配達の仕事すらできなくなった人たちが増えたら、この社会で何が起きるのか」と、治安悪化を懸念する声も上がっている。
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