独特な顔立ちで知られ、中国の象徴的な起業家であるアリババ創業者・ジャック・マー(馬雲)に「そっくりな少年」としてかつて中国全土で話題になった范小勤(はん・しょうきん)氏が、18歳となり、ライブ配信に姿を見せた。
かつての「そっくり少年」が大人になった今の姿を見ようと、多くの人が配信に集まったが、中国ネットには「見ていてつらい」「複雑な気持ちになる」といった声も広がっている。
ライブ配信には、一時7万人以上が集まり、投げ銭の演出が画面を埋め尽くした。髪を赤く染めた范氏は、何度も頭を下げながら視聴者に感謝していた。
中国では彼は「小馬雲(リトル・ジャックマー)」の愛称で知られる。江西省の農村育ちで、幼い頃の写真が2015年にネットで拡散。「アリババ創業者にそっくりだ」と大騒ぎになった。ジャック・マー本人も当時、「自分の子供の頃の写真かと思った」と驚いたという。
すると大人たちが次々と集まり、范氏は「話題の少年」として各地へ連れ回されるようになった。テレビ出演、ファッションショー、映画撮影、動画配信など、さまざまな商業活動に参加していたが、成長とともに以前ほど注目されなくなっていく。2020年には低身長症の可能性も指摘され、翌2021年、范氏は商業チームから外され故郷へ戻った。その後、知的障害2級と認定されたという。
現在18歳になった范氏は、いとこと一緒に短編動画を撮影しながら生活している。赤い髪や唇・耳のピアス姿で配信に登場し、女性ファンに向け「彼女になってほしい」と呼びかける場面もあり、中国SNSでは「すっかり変わってしまった」「悪い影響を受けたのではないか」といった心配の声も上がっている。
一方で、「この子は幼い頃から周囲の大人に振り回され続けてきた」という同情の声も根強い。
学校生活や、ただ普通に成長していく時間よりも、「珍しい存在」として注目され続けた人生だった。人気があるあいだは大人たちに囲まれ、話題が薄れれば故郷へ戻される。その姿に、中国のネット社会がもつ冷たさや残酷さを見てしまう人も少なくない。
今回の配信でも、多くの視聴者は「かつて有名だった少年の現在」を気にして画面を開いた。ただ、その一方で、どこか危うさを抱えた青年の姿に、「この子は本当に幸せなのか」と複雑な気持ちを抱いた人も少なくなかったようだ。
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