昨日まで通っていた幼稚園が、ある日突然「消える」。そんな異常な出来事が、中国各地で相次いでいる。
2025年11月に何の前触れもなく突然閉園された「大象媽媽幼児園(海南省陵水)」の場合、発生から半年近くがたった現在も、保護者が前払いした学費や、教師に支払われていない給与は、いまだ解決していないことが中国メディアの報道でわかった。
複数の保護者の証言によると、閉園当日の朝までは通常通り子供を登園させていた。中には、その場で新学期の学費や習い事の費用を支払った家庭もあったという。ところが午後になると、教育当局から電話で「幼稚園は停止になった」と通知が入り、保護者はそこで初めて閉園を知った。園側からの事前説明は一切なく、教師たちも事情を知らされていなかった。
さらに問題となっているのが、閉園前の資金集めの方法である。園側は「共同運営」をうたい、3年分の学費を前払いすれば、毎年10%の利息をつけ、その利息を学費に充てられると説明し、保護者に借用契約を結ばせていた。こうして数万元(数十万円)単位の前払いをした家庭も多く、その資金は戻らないままとなっている。
報道によると、園の責任者は、総負債が800万元(約1億6千万円)を超え、教職員の給与や社会保険も100万元(約2千万円)以上滞納し、経営が成り立たない状態だった。
近年、中国各地で同様の問題が相次いでいる。河南省では園長が学費を持ち逃げして行方不明となり、数百世帯が被害を受けたケースがあるほか、広東省でも突然の閉園で約200世帯の学費が戻らない事例を報じている。中には多額の前払いを促す仕組みや、景品を使って支払いを増やさせるケースもあり、教育の場が「お金集めの手段」として使われていた実態も明らかになっている。
統計でも異変ははっきりしている。中国ではここ数年で数万の幼稚園が閉鎖されており、今後も閉園が続く見通しだ。
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