中国 ヒット作に水を差す当局の方針

中国人気ドラマの「美しすぎる将軍」に当局の規制で待った

2026/04/10
更新: 2026/04/10

中国の人気ドラマが、思わぬ理由で批判の的となった。問題とされたのはストーリーではなく、主演俳優の見た目だった。

若手俳優・張凌赫(ジャン・リンホー)主演の時代劇「逐玉」は大ヒットし、再生数は34億回を超え、今年の中国ドラマでトップとなった。しかし、その人気の裏で思わぬ論争が広がっている。

問題視されたのは、劇中で張が演じた将軍の外見だ。メイクが目立って見えることから、中国の官製メディアから「ファンデーション将軍」と揶揄され、批判が相次いだ。さらに、テレビやドラマを管理する国家ラジオ・テレビ総局も「見た目重視の風潮を排除する」との方針を示した。

こうした一連の動きは、単なるドラマ批評にとどまらなかった。宣伝部系メディアに加え、軍の関連アカウントまでが「化粧した将軍では力強さを表せない」と批判に加わったためだ。軍が娯楽作品に踏み込んで発信するのは珍しく、今回の動きは異例と受け止められている。

この点について、香港メディアは、複数の発信が同時期に集中していることから、背後により上位の意向があると指摘している。

一方で、こうした批判に対し、ネット上では反発も広がっている。「美しいものを見るためにドラマを見ているのではないのか」「そんなことより他にやるべきことがあるのではないか」といった声が相次いだ。

背景には、中国当局によるエンタメ業界への規制強化がある。2021年前後から、男性アイドルの中性的な外見や過熱するファン文化を問題視し、「健全な価値観」を掲げた統制が続いてきた。

今回の騒動は、人気作品であっても例外ではない現実を示した。中国では娯楽作品であっても、当局の価値観から外れれば突然批判の対象となる。

 

中国ドラマ『逐玉』で張凌赫が演じる将軍・謝征の姿 (映像よりスクリーンショット)