中日関係の悪化が続くなか、中国広州で開催予定だった日本の著名アニメ映画監督・宮崎駿の作品展が延期された。
アカデミー賞を受賞したことのあるアニメ制作会社「スタジオジブリ」は12月9日、開催延期を発表したが、具体的な理由については明らかにしていない。スタジオジブリは宮崎駿が共同で設立したことで知られている。
同スタジオは声明で次のように発表した。「このイベントを心待ちにしてくださっていた皆さまに深くお詫び申し上げます。皆さまのご理解とご支援に心より感謝申し上げます。近い将来、再びお会いできることを楽しみにしております」とコメントしている。
この展覧会は広州タワーの劇場でクリスマスに開幕する予定だった。『広州日報』によれば、9月13日に「スタジオジブリ・ストーリー──宮崎駿映画の不思議な世界を巡る旅」と題するプロジェクトを、広東国際観光産業博覧会で発表していた。計画では2026年10月8日まで開催する予定だった。
ジブリ展は2024年にも上海で開催している。宮崎駿監督の作品は中国でも人気が高く、これまでに複数の作品を相次いで上映してきた。
中国のネットユーザーは公式ウェイボー上で、「世界平和を訴え、反戦をテーマとするジブリ作品展ですら開催が難しいのか」と嘆くなど、延期を惜しむコメントを多数寄せている。
すでに観覧のための旅行を手配していたファンも多く、SNS上では失望の声が相次いでいる。また、北京から広東への航空券を予約していたというある女性は、「子供たちは宮崎駿の大ファンです。この展覧会のニュースを見て、すぐに旅行を計画しました」と投稿している。
一方、日本の人気歌手・浜崎あゆみは先月、上海で予定していたコンサートの中止を余儀なくされ、来月に予定していたマカオ公演も中止された。浜崎はSNSで「この日を楽しみにしてくださっていた皆さまに心からお詫び申し上げます。しかし、私は未来を決して諦めません。私たちの絆は永遠です」とコメントしている。
浜崎の公演中止を受け、米メディアのブルームバーグは「中国当局による日本のソフトパワー弱体化の試みは、結局のところ逆効果になる」とする論評を掲載した。同報道によれば、「戦狼」外交を推し進める当局者はその影響を理解していない。国内で強硬姿勢を優先し続ければ、中国の国際的地位は必ず損なわれると指摘している。
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