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記憶力と癒し

ローズマリー:認知力を高める愛のハーブ

古代の儀式から古典文学まで、ローズマリーは台所や薬局で欠かせないものとして存在し続けてきました。

古代では、花嫁が愛、忠誠、幸福の象徴としてローズマリーを身につけていました。キリスト教の伝説によると、聖母マリアが青色マントをローズマリーの茂みに掛けたところ、白い花が青くなり、「マリアのバラ」と呼ばれるようになったと言われています。

中世では、ローズマリーを燃やしてペストを追い払っていました。ルネサンス期には、その文化的重要性が古典文学の中で不滅のものとなりました。シェークスピアの「ハムレット」の中でオフィーリアが「思い出のローズマリー」と口にする場面がありますが、これはローズマリーが記憶力と忠実さの象徴として昔から親しまれてきたことを示しています。

古代医学では、ローズマリーは精神疲労や肉体疲労、てんかん、頭痛、月経不順などの症状を緩和するために用いられてきました。
 

ローズマリーは古くから、記憶力の向上や月経時の不快感の緩和に使われてきました(大紀元、shutterstock)

 

ローズマリーの豆知識

  • よく育った木質のローズマリーの茎は、シシケバブの風味豊かな串として再利用できます。 葉をむしり、肉や野菜に加えてから焼くだけです。
     
  • ローズマリーは天然の虫除けです。 ある研究では、ローズマリー精油をジェル状にして参加者の腕に塗った結果、ディート(DEET)とほぼ同等に蚊から刺されないという結論に達しました。
     
  • 抗酸化作用と抗菌作用があるため、ローズマリー抽出物は食品の保存にも使用されてきました。合成酸化防止剤の天然代替品として使用でき、合成酸化防止剤の使用量を減らすことができます。
     
  • ローズマリーの抗菌性は、洗浄剤としても役立ちます。
     
  • ローズマリーは、高さ1.8メートル、幅1.5メートルまで成長します。
     

ローズマリーの特別な効能

地中海沿岸が原産の芳香性常緑低木は、針のような葉と独特の芳香を持ち、シソ科(Lamiaceae)に属します。数種類の種がありますが、ローズマリーが最も広く研究されています。

近年、分類学者たちはローズマリー(Rosmarinus officinalis)をより広範な属であるサルビアに再分類し、現在の学名はサルビア(Salvia rosmarinus)と呼ばれ、セージなどの他のシソ科の植物により近い位置づけとなっています。 このような変更にもかかわらず、このハーブは学術的にも料理においてもローズマリーとして広く知られています。

ローズマリーの健康効果は、抗菌、抗酸化、抗炎症作用によるものです。これらの特性は主に、ローズマリーに含まれるロスマノール、カルノソール、カルノシン酸、ウルソール酸、ロスマリキノン、カフェ酸、ロスマリディフェノールなどの化学化合物に由来します。抗酸化作用は、有害なフリーラジカルを中和し、体内の酸化ストレスを軽減するイソプレノイドキノンによるものです。

ローズマリーは、乾燥、抽出物、濃縮されたエッセンシャルオイルなど、さまざまな形態で摂取することができます。多くの研究では、ローズマリー水、アロマセラピー、またはエッセンシャルオイルが使用されています。

ローズマリーエッセンシャルオイルは、外用および内服の両方に使用できます。ただし、内服する場合は注意が必要です。キャリアオイルやはちみつなどの別の物質で希釈する必要があります。希釈せずに直接肌に塗ったり、摂取したりすると、深刻な副作用を引き起こす可能性があります。ローズマリー精油を摂取する前には、専門医またはハーブ専門家に相談してください。
 

1. 記憶力を高める

ローズマリーは、昔から記憶力を高めるものとして知られてきました。古代ギリシでは、受験生がローズマリーの花輪を身につけていたと言われています。これは、ローズマリーが記憶力を高めると信じられ、現代科学でも裏付けられています。

2017年、ある研究では13歳から15歳の53人の学生を対象に、ローズマリー精油の短期記憶への影響を調査しました。参加者は、対照群とローズマリー精油をスプレーしたローズマリー群に分けられました。ローズマリー群は、対照群と比較して、視覚記憶と暗記の両方で著しい改善が見られました。

2018年、無作為化対照試験では、250ミリリットルのローズマリー水を飲むことで、認知能力と脳血流が大幅に改善し、精神的に負荷のかかる作業中の脳の酸素利用が改善されることが示されました。

2012年、無作為二重盲検試験で、高齢者は通常の料理での摂取量と同等の750ミリグラムの乾燥したローズマリー葉の粉末を摂取することで、平均年齢75歳以上の成人の記憶速度が改善することが分かりました。これは、加齢に伴う認知機能のサポートに役立と示しています。

2023年、パイロット試験では、ローズマリーを摂取することで、脳が重要な情報と背景情報を処理する能力が向上し、集中力と注意力が高まることが示唆されました。

これらの調査結果を総合すると、ローズマリーは、さまざまな年齢層における集中力、記憶力、認知能力を高めるための選択肢として有望であることが示唆されます。
 

2. ストレスの緩和

伝統的な医学では、ローズマリーはうつ病、精神疲労、不安やストレスによる落ち着きのなさや苛立ちを緩和するために使用されてきました。これは科学的研究によって裏付けられています。

2020年の臨床試験では、健康な日本人男性を対象に、ローズマリー抽出物を毎日摂取したところ、4週間後には緊張、不安、疲労、日中の眠気が軽減されたことが分かりました。

2018年には、1か月間、1日2回500mgのローズマリーエキスを経口摂取した大学生68人を対象に、対照群と比較して不安、うつ、睡眠の質が大幅に改善したことが報告されています。

ローズマリー水(ローズマリーエキスを含む炭酸飲料)に関するパイロット研究では、ストレスを感じる作業中に摂取することで、ストレスの自覚、心拍数、血圧が低下したと報告されており、ローズマリーがストレス管理と心の平穏の促進に役立つ天然のツールとして有望であることが示されています。
 

3. 痛みの緩和

ローズマリーは、伝統的な医療において、頭痛、月経痛、腹痛、リウマチ、腎臓結石の痛みを和らげるために長い間使用されてきました。また、鎮痙薬としても使用されてきました。最近の研究では、動物およびヒトのモデルにおいて、ローズマリーに鎮痛作用と抗炎症作用があることが示され、これらの用途が裏付けられています。

2017年の臨床試験では、ローズマリーを局所的に塗布することで、血液透析患者の筋骨格痛が大幅に軽減され、メントールと同等の効果があり、プラセボよりも優れていることが分かりました。

マウスを対象とした研究によると、ローズマリー精油は熱による痛みを軽減し、高用量(1キログラムあたり20ミリグラム)ではより大きな痛みの緩和が認められました。これらの知見は、ローズマリーが自然な選択肢として痛みの管理に役立つ可能性があることを裏付けています。

ローズマリーは、神経痛や炎症に関連する神経疾患の治療にも有望であることが示されています。2017年の研究では、坐骨神経損傷のラットモデルにおいて、ローズマリーと活性化合物であるロスマリン酸が、シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)やインターロイキン-1-β(IL-1-β)などの炎症マーカーを減少させることで痛みを軽減することが実証されました。

2016年、『Scientific Reports』誌の研究報告では、同様の坐骨神経損傷のラットモデルにおいて、ローズマリー抽出物が神経痛を緩和し、痛覚刺激と非痛覚刺激に対する感受性を低下させることで神経を保護したと報告されています。

これらの発見は、ローズマリーがさまざまな種類の痛みに活用できる可能性があることを示しています。
 

その他の潜在的な効果

  • 髪の毛を蘇らせる:2015年の無作為化対照試験では、ローズマリーオイルが、6か月間にわたって男性型脱毛症の患者の髪の再生を促進する効果において、2%のミノキシジル(一般的な脱毛治療薬)と同等の効果があることが分かりました。注目すべきは、ローズマリーオイルはミノキシジルよりも頭皮のかゆみを引き起こしにくいということです。
     
  • がんと闘う:2020年のレビューによると、予備研究ではローズマリーに抗がん作用のある化合物が含まれていることが示唆されていますが、この病気に対する有効性を確認するには、より多くのヒトを対象とした研究が必要です。
     
  • ニキビを減らす:2023年のレビューによると、ローズマリー精油は、その抗菌作用と抗炎症作用により、ニキビを減らすのに役立つ可能性があります。
     
  • 血行促進:2018年のケーススタディでは、レイノー症候群(手足の血流が制限される疾患)を患う53歳の女性を対象に、ローズマリーオイルの効果を検証しました。3日間ローズマリーオイルで手をマッサージし、その後オリーブオイルで同様のテストを行ったところ、ローズマリーオイルの方がより温かくなったと報告されました。サーモグラフィーでもこのことが確認され、ローズマリーオイルを使用した場合は指先の血行が大幅に改善されましたが、オリーブオイルでは改善が見られませんでした。
     
  • 尿路感染症の予防:2020年の研究では、ローズマリー精油が黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、大腸菌など、尿路感染症に関連する一般的な微生物に対して強い抗菌作用を持つことが報告されました。これらの知見は、特に抗生物質耐性が増大していることを踏まえると、ローズマリー精油が自然療法の選択肢となり得ることを示唆しています。ただし、これを確認するにはヒトを対象とした臨床研究が必要です。
     
  • 視力を保護する:2018年のラットと体外モデルを用いた研究では、ローズマリーに含まれる化合物であるロスマリン酸が目の健康に有益である可能性が示されました。研究者はまず、白内障の影響を受けた目の水晶体組織をテストし、ロスマリン酸がタンパク質の凝集を減らし、水晶体の透明性を回復させることを発見しました。次に、生きたラットを対象に研究を行い、ロスマリン酸が白内障の形成を遅らせ、水晶体の濁りを減少させることを示しました。これらの発見は、ロスマリン酸が手術を必要としない白内障の有望な治療法となる可能性を示唆しています。しかし、ヒトを対象としたさらなる研究が必要です。
     
  • 糖分とコレステロールのバランスを整える:2014年の研究では、乾燥ローズマリー葉の粉末を4週間摂取した人々は血糖値と脂質プロファイルが大幅に改善したことが分かりました。1日10グラムの摂取で、空腹時血糖値が18%以上、総コレステロール値が35%近く、低密度リポタンパク質(LDL、いわゆる「悪玉」)コレステロール値が34%以上減少する一方で、高密度リポタンパク質(HDL、いわゆる「善玉」)コレステロール値は約34%増加しました。ビタミンCやベータカロチンなどの抗酸化物質のマーカーが増加したことから、ローズマリーには抗酸化防御力を高めながら、糖分や脂質の調整を行う可能性があることが明らかになりました。
     
  • 心臓の働きを助ける:2017年のラットを対象とした研究では、ローズマリーの葉が酸化ストレスを低減し、エネルギー代謝を高め、異常な心筋の成長を減少させることで、心臓発作後の回復をサポートすることが示されました。このことから、ローズマリーは心臓発作後の心臓損傷の治療に役立つ可能性がある補助療法となる可能性が示唆されていますが、さらなるヒトを対象とした臨床試験が必要です。
     
  • 薬物離脱をサポート:2013年の臨床試験では、アヘン中毒の治療を受けている患者に対してメサドン治療にローズマリーパウダーを追加したところ、骨痛、発汗、不眠症などの離脱症状の重症度が大幅に軽減されたことが分かりました。

 

栄養素との相乗効果

ローズマリーは、その効果を高める他の栄養素や成分と相性が良いです。 その例として、以下が挙げられます

  • ニンニク:化学物質の注射によって引き起こされた肝硬変のラットを対象に、ローズマリーとニンニクのサプリメントの効果を調査しました。 ラットには、ローズマリー、ニンニク、またはその両方を含む餌が与えられました。 ローズマリーとニンニクの組み合わせは、肝機能、免疫反応、血液の健康に最も強い好影響を与えました。
     
  • 生姜:ローズマリー、生姜、にんにくを加えることで、キャッサバを原料とするパンケーキの微生物による保存期間が延びました。
     
  • レモン:ローズマリーとレモンのエッセンシャルオイルを使ったアロマセラピーにより、介護施設で暮らす高齢者の認知機能が改善しました。
     
  • ラベンダー:ローズマリーとラベンダーのエッセンシャルオイルを含む軟膏は、12週間にわたって変形性膝関節症の患者の痛みを大幅に軽減し、身体機能を改善しました。
     
  • ビタミンE:ビタミンE(アルファ・トコフェロール)とローズマリーを組み合わせると、魚の脂肪酸化を効果的に防ぐことができ、その抗酸化作用はどちらか一方だけを使用した場合よりもはるかに強力であることが、1993年の研究で明らかになっています。
     

レシピ:ローズマリー入りウォーターのレシピ

ほんの数ステップで、ローズマリーを爽やかで潤いのあるハーブ飲料に変身させましょう。 可能な場合は、オーガニックの材料を選びましょう。

材料(ピッチャー1杯分):

  • ろ過した水
  • フレッシュローズマリー 1本
  • レモン 1個(薄切り、※お好みで)
  • きゅうり 1/2本(薄切り、※お好みで)
  • 氷 (※お好みで)

作り方:

  1. 冷たいろ過した水で、ローズマリーを十分に洗います。
  2. ろ過した水を入れたピッチャーにローズマリーを加えます。
  3. 風味をさらに高めるには、レモンの薄切り、きゅうり、またはその両方を加えます。
  4. ピッチャーを冷蔵庫に入れ、2~4時間ほど置いて風味を染み込ませます。
  5. お好みで氷を入れて冷やして召し上がってください。

プロのヒント:風味を強くしたい場合は、ローズマリーの葉を刻むか、水に入れる前に軽く指で押して軽く傷をつけます。 ベリー、オレンジスライス、ミントなど、他の材料を加えて風味の組み合わせや癒し効果を試してみるのも良いでしょう。
 

手軽にローズマリーを取り入れる方法

ローズマリーは、フレッシュ、ドライ、エッセンシャルオイル、エキスなど、さまざまな形態で入手できます。 ローズマリーを毎日の食事に取り入れるための、手軽で簡単な方法をいくつかご紹介しましょう。

  • 料理に振りかける:ローストした野菜、グリルした肉、スープ、ベイクドポテトなどに、フレッシュまたはドライのローズマリーを振りかけます。 松のような香りと、少しペッパーのような風味は、ラム、チキン、ポークなどのこってりした料理とよく合います。マイルドな風味にしたい場合は、茎から葉をはずし、細かく刻んでください。
     
  • オイルやビネガーに香りづけ: ローズマリーを使ってオイルやビネガーに香りづけをすると、サラダやドレッシング、マリネに最適です。
     
  • ハーブバターを作る: 細かく刻んだ新鮮なローズマリーと柔らかくしたバター、塩ひとつまみを混ぜ合わせると、ハーブバターを作ることができます。 焼いたステーキやローストした野菜、温かいパンに塗ってください。
     
  • 調味料ミックスを作る:乾燥ローズマリーにタイム、オレガノ、セージなどの他のハーブ、ガーリックパウダー、パプリカなどを加えて混ぜ合わせると、肉や魚のマリネや下味付けに使える万能調味料ミックスを作ることができます。
     
  • 生地レシピに使う:パン生地、フォカッチャ、香ばしいビスケットなどに、生のローズマリーまたは乾燥ローズマリーを練り込むと、ハーブの風味が加わって美味しくなります。ローズマリーは、焼き菓子にオリーブオイルとシーソルトと組み合わせると、とてもよく合います。
     
  • マリネソースを作ろう:ローズマリーとオリーブオイル、レモン汁、にんにく、黒胡椒を混ぜ合わせると、鶏肉、魚、豆腐用のシンプルで風味豊かなマリネソースを作ることができます。
     
  • ローズマリーティーを淹れよう:乾燥したローズマリーの葉小さじ1杯分、または生のローズマリーの小枝1本をお湯に10分間浸します。お好みで蜂蜜とレモンを加えると、落ち着きのあるアロマティックなティーになります。
     
  • エッセンシャルオイルをブレンドする: 蒸気蒸留法で抽出されたローズマリーエッセンシャルオイルは、非常に効能が高いものです。 マッサージなどの局所的な用途には、キャリアオイル(オリーブ、ココナッツ、ホホバなど)に1~2滴を希釈して使用します。 また、リフレッシュ効果のあるアロマとして空気中に拡散させることもできますが、医療専門家の監督下にある場合を除き、内服は避けてください。
     
  • エキスを購入する:ローズマリーは、錠剤、カプセル、チンキ剤の形で入手できます。チンキ剤は通常、アルコールまたはグリセリンでできており、お茶や水に簡単に加えることができます。
     
  • おしゃれな飲み物を作る:ローズマリーは、特に飲み物の飾り付けやシロップに混ぜる場合、カクテルやノンアルコールカクテルにトレンド感を加えるのに最適です。また、独特の風味を生かして、ハーブワインや一部のクラフトビールにも使用されています。

ローズマリーの芳香油は、石鹸、クリーム、ローション、香水、コロンなどの人気のある材料です。 葉は、小袋、ポプリ、ハーブバス、フェイシャルスチーム、ヘアリンス、天然染料などに使用されることが多いです。 さらに、ローズマリーは収れん作用と洗浄作用があるため、多くのバス用品や美容製品に欠かせない材料となっています。

 

品質を重視した選び方

ローズマリー製品の品質は大きく異なります。2023年の研究では、薬局、ハーブ専門店、オンラインプラットフォームから調達したトルコ市場のローズマリー精油15サンプルの品質を評価しました。純粋なローズマリーオイルのヨーロッパ薬局方基準を満たしたのは、わずか4サンプルでした。

ローズマリー精油を選ぶ際には、信頼できるブランドの「100%ピュアエッセンシャルオイル」や「セラピーグレード」などの表示を探しましょう。熱や化学物質、精製処理は抗酸化作用や抗菌作用に悪影響を与える可能性があるため、低温圧搾のオイルを選びましょう。可能であれば、有機栽培で非照射処理のローズマリーを選びましょう。

生のローズマリーには、乾燥ローズマリーよりも高い抗酸化物質とフェノール成分が含まれていると言われています。

エッセンシャルオイルを肌に塗布したり芳香として使用する際は、必ず希釈してください。ローズマリーを配合したオイルの場合は、ベースオイルが高品質であることを確認してください。ただし、エッセンシャルオイルよりも濃度が低いことに注意してください。
 

ローズマリーの適切な使用量

ローズマリーには、1日あたりの推奨摂取量に関する標準的な基準値はありません。ラベルの指示に従い、担当の医療従事者の指示に従って摂取してください。

ローズマリーオイルの場合、一般的な目安としては、キャリアオイル小さじ1杯あたり、精油を1~2滴使用します。医療従事者の監督下にない場合は、内服しないでください。

お茶の場合は、乾燥した葉を小さじ1~2杯、または新鮮なローズマリーを1本、熱湯1カップに10分間浸します。1日3回までを目安に少しずつお召し上がりください。
 

ローズマリーの吸収を最適化する方法

ローズマリーの主要化合物の一部は脂溶性であるため、オリーブオイルなどの健康的な脂肪分と一緒に摂取すると最も吸収されやすくなります。

長時間高温にさらすと、ローズマリーの有益な化合物の一部が劣化する可能性があります。健康効果を維持するには、調理の最後の段階でローズマリーを加えます。

ローズマリーの乾燥葉は、効能を維持するために、熱や光を避けて密閉容器に保存してください。
 

使用に注意が必要な人

妊娠中および授乳中の女性は、大量摂取により子宮収縮が促され、流産のリスクが高まる可能性があるため、ローズマリーを使用する前に医療従事者に相談してください。

ミント、バジル、セージなどのシソ科の植物にアレルギーのある方は、ローズマリーを避けるべきです。

ローズマリーにはアスピリンに似た化学物質が含まれており、アスピリンアレルギーのある方は反応を起こす可能性があります。また、出血性疾患のある人では出血やあざのリスクを高める可能性があります。

大量のローズマリーまたはローズマリー精油は、痙攣障害を悪化させる可能性があります。

ローズマリーにはタンニンと樟脳が含まれているため、胃腸を刺激する可能性があります。クローン病、過敏性腸症候群、胃炎などの症状がある方は、使用前に医療従事者に相談してください。

また、ローズマリーに含まれるタンニンは、大量に摂取すると鉄分の吸収を妨げる可能性があります。 鉄欠乏性貧血の方や鉄分不足のリスクがある方は、摂取前に医療従事者に相談してください。
 

毒性

ローズマリーは一般的に、料理に使う程度の量であれば安全であると考えられています。 しかし、大量に摂取すると吐き気、便秘や下痢、腹痛、嘔吐、痙攣、ひどい場合には肺水腫(肺に水がたまる症状)を引き起こす可能性があります。

特にローズマリー精油を希釈せずに使用する場合には、皮膚の炎症や皮膚炎などのアレルギー反応が現れる人もいます。ローズマリー精油は非常に濃度が高いため、外用として使用する場合には、必ずオリーブ油やココナッツ油などのキャリアオイルで希釈してください。有資格の医療専門家の監督下にある場合を除き、ローズマリー精油を内服することは避けてください。

ローズマリーには軽度の血液を薄める作用があり、特に抗凝固薬を服用中や手術前には出血のリスクを高める可能性があります。手術の予定がある場合は、少なくとも2週間前からローズマリーの大量摂取は避けることをお勧めします。

ローズマリー抽出物は、米国食品医薬品局(FDA)により一般に安全と認められた(GRAS)に分類されています。
 

相互作用

ローズマリーは、特定の医薬品やサプリメントと相互作用を起こす可能性があります。

  • 血液をサラサラにする薬:ローズマリーは血液凝固を遅らせる可能性があります。血液凝固を遅らせる薬を服用している場合は、ローズマリーを併用すると、あざや出血のリスクが高まる可能性があります。
     
  • 糖尿病治療薬:ローズマリーは血糖値を下げる可能性があります。糖尿病治療薬を服用している場合は、ローズマリーを併用すると、血糖値が下がり過ぎる可能性があります。
     
  • アスピリン:ローズマリーにはアスピリンに似た化学物質が含まれています。アスピリンを服用している場合は、ローズマリーを併用すると、アスピリンの効果や副作用が増強される可能性があります。
     
  • 利尿薬(水薬): ローズマリーには利尿作用があるため、これらの薬の効果を高め、脱水症状のリスクを高める可能性があります。
     
  • ACE阻害薬: ローズマリーは、高血圧の治療に用いられるACE阻害薬の作用を妨げる可能性があります。
     
  • リチウム: ローズマリーには利尿作用があるため、体内の水分が過剰に失われ、体内のリチウムの量が有毒レベルまで蓄積される可能性があります。
     
  • 非ステロイド性抗炎症薬:ローズマリーには、コリン・マグネシウム・トリサリシネート(トリリサート)やサルサレート(ジサルシド)に似た化学物質が含まれており、併用するとこれらの薬の効果が増強され、副作用のリスクが高まる可能性があります。

特に薬を服用している場合、ローズマリーを使用する前には必ず医療専門家に相談してください。安全に使用するためには、事前の確認が重要です。

(医学的監修 ジミー・アーモンド医学博士)
 

(翻訳:呉安誠)

 

カリフォルニア大学デービス校で栄養生物学の博士号、神経生物学、生理学、行動学の理学士号を取得。同大学で生化学と生体エネルギー学を教えている。自然療法の専門家であり、ハーブ療法の指導者としても活躍。栄養補助食品会社の研究開発ディレクターを務めた経験を持つ。