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外資急減 習近平が多国籍企業CEOとの会談で投資呼び込む

2025/03/21
更新: 2025/03/21

米中貿易戦争の影が色濃くなる中、中国への海外直接投資(FDI)の純額は減少の一途をたどっている。中国共産党(中共)は、多くの外国企業のCEOを急遽招待し、「中国発展ハイレベルフォーラム」に参加させ、3月末には中共党首習近平との会見を予定しているとの情報が伝わっている。

中国発展ハイレベルフォーラムは3月23~24日に北京で開催する見込みだ。

英フィナンシャル・タイムズは15日、情報筋の話として、今年の参加者リストには約72名の世界的に著名な企業のCEOが名を連ねる見込みだと報じている。

ロイター通信によると、情報筋の話では、参加する外国企業のCEOの一部が会議後に習近平との面会を予定しているという。この面会は3月28日に行われる可能性があり、現在招待リストは協議中だ。

報道によれば、習近平は外国資本の流出と経済の弱体化の状況を転換させようとしており、特にトランプ氏が関税をさらに引き上げる場合、中共当局が設定した今年の経済成長目標である5%の達成は危うくなる可能性があるとされている。

アメリカの経済学者デイビー・J・ウォン氏は、過去にも同様の会談はあったが、市場参入障壁などの根本的な問題は未解決になると指摘している。そのため、今回の会談は短期的に象徴的な効果しかもたらさない可能性があると述べている。

「会談で多くのシグナルが発信されても、外資の最終決定はグローバルサプライチェーンや地政学的リスクに大きく影響されるため、会談だけで状況が一変することはない」

「現在のトレンドがサプライチェーンの脱中国化や脱レッド化であれば、企業もその流れに従うだろう。また、中共が強調する中央集権型と外資が求める市場経済型経済との間には根本的な矛盾がある。さらに、東南アジアの若い人口や低コストといった先天的な条件も無視できない」

情報筋によると、今年の中国発展ハイレベルフォーラムには、例年に比べヨーロッパ企業のCEOの参加割合が増加し、アメリカ企業のCEOは減少しているという。

大紀元のコラムニスト王赫氏は次のように語っている。
「これは中共がヨーロッパを取り込もうとする兆しだ。バイデン政権の先進技術投資制限政策により、アメリカ企業と中共の協力の余地が狭まる一方だ。アメリカのCEOが減っているということは、現在の米中経済関係の厳しさを反映しており、中共にとっても手の打ちようがない」

中共国家外貨管理局の統計によれば、昨年の中国への海外直接投資(FDI)の純額はわずか45億ドル(約6750億円)で、1998年の統計開始以来の最低記録となり、2021年のピーク時のわずか1.3%にとどまっている。

今年の初めの2か月間、中国への海外直接投資は1712.1億元(約3.5兆円)で、前年同期比20.4%から大幅な減少を示した。

米セント・トーマス大学の国際研究講座教授である葉耀元氏は、過去の経験から習近平が工場建設や土地優遇、税務問題において外国企業にいくつかの優遇措置を提供する可能性があると指摘している。

「習近平のこのような演技は初めてではありません。2023年から外資誘致を続けているが、外資は雪だるま式に流出し続けている。これは、核心的な問題が変わらない限り、短期的な誘因にすぎず、大きな方向性を本当に逆転させることはできないことを示している」

「オープンな市場でも法治国家でもない中国をどうやって信じられるだろうか? 正直に言えば、外資を呼び戻すのは極めて困難と言える! さらに、米中間の競争のため、中国は以前ほど簡単にアメリカ市場に参入できなくなっている。そのため、中国で製造を行うことは、アメリカ市場という大きなパイを獲得したい企業にとって、実際にはあまり魅力的ではない」

外国投資の安定化を図るため、中共商務部は最近、今年中に総合試験モデルや自由貿易試験区などのプラットフォームの開放を拡大すると発表した。2月に発表した『2025年外資安定化行動計画』では、国家レベルの経済技術開発区の対外経済発展を促進し、自由貿易試験区の向上戦略の実施が明記されている。

王赫氏は次のように述べた。
「現在の状況では、外資の状況は非常に厳しく、外資を維持するためには何らかの提供が必要だが、中共の開放の程度は限られているため、その効果も薄いだろう」

デイビー・J・ウォン氏は、短期的には一部の外国企業が撤資計画を一時的に停止したり、善意を示すために経済投資を増やす可能性があると分析している。しかし、中長期的には、実質的な政策が実施されない限り、中共が外資の急落傾向を逆転させるのは難しいと指摘している。