イギリスのキア・スターマー首相は3月2日、ウクライナ和平に向けた新たな計画を発表し、アメリカと連携を重視しながら、ウクライナ支援とロシアへの経済的圧力強化を強調した。新計画には、ウクライナの防衛能力を強化し、永続的な和平を保証するための「有志連合」の設立が含まれている。
ウクライナ支援の継続と強化
スターマー首相は、ウクライナに対する軍事支援の継続とロシアへの経済的圧力の強化を表明した。具体的には、凍結されたロシア資産からの利益を担保に、22億6千万ポンド(約4270億円)の融資をウクライナに提供し、さらに16億ポンド(約3031億)の輸出金融を活用して、5千基以上の防空ミサイルの購入をウクライナが行うよう支援する。これらのミサイルは北アイルランドのベルファストで製造され、イギリスの防衛産業の雇用創出にも貢献する。
「有志連合」による和平保証
スターマー首相は、ウクライナの主権と安全が保障されるような、永続的な和平の必要性を訴えた。そして、和平合意が成立した場合、将来の侵略を阻止するために、ウクライナ自身の防衛能力を向上させ、和平を保証するための「有志連合」を設立する意向を示した。
この「有志連合」には、すべての国が参加できるわけではないが、参加を希望する国々が協力して、ウクライナの和平を維持するための計画を策定することだ。イギリスは、地上部隊や航空機を派遣する用意があり、ヨーロッパ諸国が中心的な役割を担うと言う。また、この取り組みを成功させるためには、アメリカの強力な支援が、不可欠であると強調した。
ロシアとの対話について
記者からの質問に対し、スターマー首相は、ロシアも和平交渉に参加する必要があることを最終的に認めた。しかし、ロシアが一方的に条件を決めるような形での交渉は避けるべきであり、まずはウクライナが交渉において有利な立場に立てるよう支援することが重要であると述べた。
今後の見通し
スターマー首相は、近いうちに再び首脳会談を開き、今回の合意内容を実行に移すことを確認した。そして、「歴史の岐路に立っている今、行動を起こし、主導権を握り、正義と永続的な和平のための新たな計画を結集すべき時だ」と力強く訴え、会見を締めくくった。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。