言論統制が再び強化 多くの中共の学者が処罰

2024/10/08
更新: 2024/10/08

最近、中共(中国共産党)は知識エリートに対する言論統制を再度強化した。多くの大学の学者経済外交に関する発言で処罰を受け、さらには社会事件に対するコメントを理由に、言論を禁じられている。

中共建政75周年を迎えるにあたり、中国社会科学院経済研究所では「人事地震」が発生し、すべての責任者が新たに交代した。

アメリカの「ウォール・ストリート・ジャーナル」によれば、消息筋の情報を引用して、副所長の朱恆鵬がプライベートチャットグループで中国共産党の党首による中国経済の管理問題を批判したために拘留され、解任されたと報じている。これが最終的に同研究所の責任者全員の交代につながった。

オーストラリアに住む歴史学者の李元華氏は、「数年前、中共は経済発展を利用して民心を掴もうとした。一部の人々は、これを中共の功績だと考えているが、今や中共は自己賛美を続けている一方で、国民の生活の質は低下している。中共が、これらの問題を解決できない場合、知識人が声を上げることを、非常に恐れているのだろう」と述べている。

さらに、最近他の知識人たちも言論によって当局から処罰を受けている。

例えば、著名な政治学者である胡偉氏についてだ。ボイス・オブ・アメリカは、上海の社会科学界の情報筋を引用し、「胡偉氏は主にロシアに関連する2本の記事が原因で、面倒な事に直面した。処罰は(今年の)6~9月の間に行われ、党内処分として厳重警告が出され、学術的には教授職位の降格があり、さらに即時退職を求められた」と報じている。

胡偉氏は「中米印象」ウェブサイトで、初めてロシア・ウクライナ戦争に関する2篇の記事を発表し、「中国はプーチンと結びついてはいけない。早急に切り離す必要がある」と指摘した。彼はまた、「中国が発表したウクライナ危機の政治的解決に関する立場文書は、ロシア・ウクライナ戦争の解決に実質的な影響を与えることはないが、中国が今後国際社会での立場を築く上で、深刻な結果をもたらすだろう」と述べた。

別の情報によると、国防大学の退職教授である公方彬氏は「ロシアは必ず敗北する」「ウクライナは必ず勝利する」と発言したため、上層部から非難を受け、彼の微博アカウント「公方彬在思想」は封鎖された。

さらに、多くの学者が社会的事件に関するコメントを発表したため、沈黙を強いられている。

例えば、公安部が「ネットナンバー、ネットID」制度に関する意見を求めた際、北京清華大学の労東燕教授は微博でこの制度に疑問を呈した。「ネットナンバー、ネットID」は実際には各ネットユーザーに取り付けられる監視装置であり、非常に大きな社会的リスクをもたらすと指摘した。この投稿はすぐに全てのネットで封じ込められた。

深圳で日本の男児が襲撃され亡くなった事件の後、中国政法大学の趙宏教授と陳碧副教授は、この暴行を非難する記事を発表し、当局に対して「愛国主義」を名目にした暴力行為の宣伝を許さないよう呼びかけたが、その記事はすぐに削除された。

中共が政権を樹立してから75年が経過する中で、知識精英人らに対する態度と民間企業家への対応は、同様に何度も変遷を経ており、現在再び厳しくなっている。

李元華氏は次のように述べている。
「中共は経済発展のために知識人の言論を緩和することがあるが、政権を維持するためには、知識人を黙らせることもある。中共の暴政の下では、知識人は真の学問の自由や言論の自由を享受することはできない。多くの臆病者は道徳が堕落し、中共に迎合することを選ぶ。本当に声を上げたい、国民のことを考える人々は、隙間の中で、慎重に生き延びるしかないのだ」

今年1月、中国の著名な自由派学者である茅于軾氏は、95歳でカナダに移住し、今後は中国に戻らないと述べた。

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