中国経済が長期にわたり低迷している影響で、外国からの投資が13か月連続で減少している状況が続いている。分析では、投資環境の悪化や中国共産党(中共)の外資政策への不信感が原因で、中共は経済低迷を止める策を講じることが難しくなっているとの見方が出ている。
最新の中共商務部の統計によれば、2024年上半期の外国直接投資(FDI)は約4989億元(約10兆8551億円)で、前年同期と比べて29.1%の減少を記録し、この減少傾向は過去5か月と比較しても拡大している。外資の減少は2023年6月以降、13か月連続で続いている。評論家の分析によると、中共が行うデータの操作が疑われており、公表している数字よりも実際の状況は、さらに深刻であると指摘している。
時事評論家の秦鵬氏は以下のように指摘している。
「現在公表されている統計データは信頼に値しないものが多い。中国経済は全体的に下降し、デフレの状態にあることは明らかだ。中国の預金利率は約2%にとどまっているが、アメリカをはじめとする他国では年間5%以上の収益率を見込んでいる。この差により、外国資本は中国を去り、アメリカや他の経済圏でより大きな利益を追求する動きが活発になっている」
一方で、中国の監視体制は一段と強化され、経済も停滞している中で、米中の地政学的競争はますます激しくなっている。このような状況が影響して、多くの英米系法律事務所が、中国市場から手を引くことになり、中でもニューヨークを拠点とする世界的に著名なWeil, Gotshal & Manges法律事務所もその一つだ。Weil, Gotshal & Manges法律事務所は上海に2004年、北京には2008年にオフィスを設立したが、2024年3月に発表されたところによると、北京オフィスを閉鎖した後、上海オフィスも閉鎖する可能性がある。
秦鵬氏によると、「中共は今も世界中で挑発的な行動を続けており、特に南シナ海や台湾海峡でその態度は顕著だ。このような行動は、地政学的な緊張を増大させ、将来的にはこれらの地域への投資が、大きなリスクを伴う可能性がある」と述べている。
また、近年中共は「国家安全法」や「反スパイ法」などの法律を改正し、外資系企業に対して予告なしの検査を行うなどしている。このような状況の中、国際的な地政学的緊張が高まるにつれて、外国企業は、中国における投資のリスクをますます懸念している。
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