経済悪化や失業率上昇が留まることを知らない中国では「中国版ユーチューバー」や「フードデリバリー」、「配車サービス」などの業界へ就業者が殺到している。
このほど、中国当局は「1200万人以上(昨年時点)」といわれる配達従事者に対して「党に従え」「スパイになれ」と求めているのがわかった。
同国の「国家市場監督管理総局(SAMR)」は、配達員に対して「党に感謝し、党に従う」ことを求めており、「デリバリー業界における『党委員会設立』」および、「配達の仕事をする傍ら随時報告を行う『社会監督員』の雇用」について言及した文書を公表し、中国メディアが報じた。
このニュースが報じられると、中国SNS上で物議を醸した。
「党に従え? いやいや、配達員なのだからナビについていかなきゃダメじゃないか」「搾取される身である配達員に感謝しろと求めるのは無理があるぞ」といった皮肉から、「ついに配達員にスパイをさせるのか」と非難の声も上がっている。
宅配業者やネット配車運転手、即配サービスのトラック運転手など「新たな就業形態の労働者」と言われる労働者の数について、昨年3月、中国の労働組合の最高指導機関(「中華全国総工会」)は「8400万に達した」と公表している。
昨年時点で、上記報告書の8400万のなかで、中国の主要プラットフォーム(運用基盤)に限り、かつ「アクティブ」な状態の配達従事者は1200万人を超えたと言及されていた。
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