脳死ドナー臓器、あっせん断念62件 体制不足浮き彫り…武見厚労相「提供数増加を踏まえ対応」

2024/05/29
更新: 2024/05/29

脳死ドナーから提供された臓器の受け入れあっせんを断念したケースが昨年62件あったとする日本移植学会からの調査結果が報じられている。これについて、武見敬三厚労相は28日の記者会見で、「臓器提供数の増加を踏まえて関係学会と協力しながら課題に対応する」と述べた。

読売新聞は日本移植学会の緊急調査として、手術実績上位の東京大、京都大、東北大の断念例が、2023年の1年間で計62件あったと報道。断念の理由は「集中治療室(ICU)が満床」とする回答が3割で最も多かったという。

武見氏は、省では令和4年度に各大学の臓器移植の状況や体制について実態調査を行っており、日本移植学会において移植施設間の連携や臓器搬送時の負担軽減等の取り組みを進めていると述べた。

「臓器提供体制の構築に向けて、臓器提供事例発生時に、臓器提供の経験豊富な医療機関から人材派遣等を行う事業などを通じて、引き続き移植医療の円滑な実施に向け、関係学会と協力しながら、この課題に対応していきたい」と述べた。

報道によると、受け入れの断念は、東大36件、京大19件、東北大7件の計62件。臓器別では、肺36件、肝臓16件、心臓10件だった。断念の理由(複数回答)はICUの満床(20件)のほか、「手術室の態勢が整わない」(12件)、「(院内環境にかかわる)ルールのため」(10件)などで、施設や人員の不足が浮き彫りになった。

大紀元日本 STAFF