政府がコメ価格高騰への対応策として決定した備蓄米の放出を、本日3月18日より開始した。農林水産省によれば、全国のスーパーでのコメ5キロ当たりの平均価格は、今月9日までの1週間で税込み4077円と、10週連続で値上がりを続けている。これは前年同期比でほぼ2倍に達しており、消費者にとって大きな負担となっている状況だ。
備蓄米の放出は、異常な価格上昇を抑えるための緊急措置として行われるもので、今回の放出量は最大21万トン。そのうち15万トンはすでに落札され、本日から大手集荷業者への引き渡しが始まった。埼玉県内の倉庫に保管されていた備蓄米は精米工場へ運ばれ、卸売業者を経由して、早ければ今月下旬にも店頭に並ぶ見通しだ。
江藤拓農林水産大臣は18日の閣議後の会見で、「消費者には価格高騰で苦労をかけていると思う。備蓄米は本日から引き渡しを始めたが、卸売業者を経由して店頭価格に反映されるまでには少し時間がかかる」と述べた。また、流通市場が動き始めた兆候があることを指摘し、「政策効果として価格に反映されるまでご理解いただきたい」と語った。
政府はさらに追加で7万トンの備蓄米の放出を予定しており、需給バランスの改善を目指す。ただし、一部では「流通コストや業者間取引の影響で価格低下効果は限定的になる可能性もある」と懸念する声も上がっている。
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