林芳正官房長官は24日の記者会見で、石破茂首相と中国共産党政治局員兼外相である王毅の面会に関する中国側の発表文について、「事実と異なる発表が発出されたことは遺憾だ」と述べた。
石破総理は21日官邸で王毅外相の表敬を受けたが、双方のやりとりについて中国側の発表では、王毅外相の発言を受けて石破総理が「中国が詳述した立場を尊重する」と述べたとしている。
これに対し、外務省は「そのような発言を行った事実はない」と反論。抗議したうえで記述を直ちに削除するよう申し入れた。
林官房長官は、「外交上のやり取りであるので中国側の反応を含め、その詳細を明らかにすることは控えるが、事実と異なる発表が発出されたことは遺憾である」と表明した。
現時点で中国側の発表内容に訂正や削除はみられていない。中国側の発表には石破総理が面会で強調した拘束されている邦人の釈放や、日本産水産物の輸入規制の撤廃を求めたことについての記載もなかった。
外務省が発表した内容は以下の通り。
王毅・中国外交部長による石破総理表敬に関する中国側事後発表について
令和7年3月22日
「3月21日に実施された王毅・中国外交部長による石破内閣総理大臣表敬について、中国外交部は、同日発出した事後発表において、石破総理大臣が「中国側が詳述した立場を尊重する」旨の発言を行ったとしていますが、そのような発言を行った事実はありません。
中国側に対しては、当該発表の発出後、抗議し、事実と異なる記述を直ちに削除するよう申し入れました。事実と異なる発表が発出されたことは遺憾です。
今般の王毅部長による表敬では、石破総理大臣は、東シナ海情勢や中国にいる日本人の安心・安全の確保、拘束されている邦人の早期釈放、水産物の輸入規制の撤廃、牛肉をはじめとする農産物に関する問題等といった懸案や課題を減らしていく必要性を強調しており、当該発言を行った事実は全くありません」
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