どうなる街頭演説、危険と隣り合わせ…N国の浜田議員「屋内にシフトを」 松本総務相「暴力理由に控えるのは避けたい」

2024/04/30
更新: 2024/05/01

参議院総務委員会で25日、浜田聡議員(NHKから国民を守る党)は選挙妨害行為について質問した。過去に安倍元首相の銃撃事件や岸田首相への襲撃未遂があったことから、街頭演説の安全性について「危険と隣り合わせ」と指摘。ネット宣伝や屋内講演へのシフトの必要性を訴えた。いっぽう、松本総務相は暴力を理由に控えることは避けたいと応じた。

松本剛明総務相は「街頭演説は候補者の主張を有権者の皆様に直接聞いていただく大変意義のあるもの」とし、「街頭演説の自由な実施は守られる必要があり、暴力に屈したり萎縮するようなことは決してあってはならない」と答弁。暴力行為を受けても街頭演説は控えるべきではないとの認識を示した。

松本総務相は23日の記者会見で、選挙妨害は公選法の自由妨害罪や刑法の暴行罪などの処罰対象になり得ると述べた。

衆院東京15区補選では、政治団体「つばさの党」の候補者が他候補の街頭演説にマイクを握って乱入したり、選挙カーでクラクションを鳴らし続けるなどの妨害行為が相次いだ。警視庁は28日、公職選挙法の「自由妨害罪」違反にあたる可能性があるとして捜査している。

2019年参院選で演説中の安倍首相に野次を飛ばした男女が警察に排除され、北海道を訴えた裁判では、北海道に対して880万円の賠償命令が出た。浜田議員はこの例を挙げ「演説を聞こうとする人の妨害は公職選挙法違反であり、法が麻痺した判決ではないか」と批判し、この判決が今回のような状況を招いている可能性を指摘した。

いっぽう、候補者側にも選挙のやり方を変える必要性を訴えた。「候補者が演説場所の日時や場所をあらかじめ周知した状況での屋外の演説は、危険と隣り合わせ」と指摘。安倍元首相銃撃事件や岸田首相への襲撃未遂事件を例示し、「インターネットを使った宣伝活動や屋内での講演会にシフトするなど、政治活動、選挙運動のやり方を変えていくべき」と訴えた。

しかし、今回妨害を試みた政治団体はインターネットのSNSを利用して、妨害活動を拡散させてきた。2018年公職選挙法改正によりSNSの利用は解禁されているが、誹謗中傷や虚偽情報の流布、挨拶を目的とした有料広告は禁止されている。

選挙運動とSNSにおける拡散について、岸田首相は23日の衆院予算委員会で「具体的な対応について政府としてどうあるべきかを考えたいと思うが、選挙運動そのものに関わる問題なので国会としても議論していただくことが重要」と述べた。

過積載トラック取り締まり強化…住民要望受けている=警察庁

東京都品川区の南大井3丁目で違法で危険なビルの解体工事(石井孝明氏撮影、大紀元エポックタイムズ加工)

このほか、浜田議員は埼玉県における外国人による危険な過積載トラックに関して取り上げた。

SNSを始めとするインターネット上では、過積載の指摘が相次いでいる。ジャーナリストの石井孝明氏から議員に提供された画像によれば、荷台一杯に積まれた廃材が今にも崩れ落ちそうなトラックの姿を捉えていた。

こうしたトラックは、埼玉県川口市周辺の高速道路や交通量の多い幹線道路で多数目撃され、解体業に就くクルド人の関与があるとして、地元住民からは「クルドカー」と呼ばれている。

警察庁審議官は、埼玉県警では住民から外国人の過積載車両の取り締まり強化の要望を受けていることを認めている。「積載制限を超える過積載や、物の転落を防ぐため必要な措置を怠るなど、運転者の遵守事項に反するような貨物の積載は、重大事故につながりうる危険な行為」として、引き続き厳正な取り締まりを実施する方針を示した。

ジャーナリストの石井孝明氏は大紀元への寄稿等を通じて、かねてより警鐘を鳴らしてきた問題だ。同氏は現地取材を重ね、住民の声を伝え、問題の真相に迫った。

パンデミック条約 政府「制限や罰則は議論されていない」

このほか、浜田議員は「パンデミック条約」をめぐって拡散する情報について政府の見解をただした。同条約は5月に開かれるWHO総会での採択が想定される。

パンデミック条約はインターネット上で「条約で義務を怠った国に制裁が加えられる」「各国の憲法や人権が関係なくなる」などの情報が伝わっていると浜田議員は例を示した。

パンデミック条約は、新型コロナウイルスのようなパンデミックへの国際的な対応を定めるものだ。外務省審議官は、日本政府としては「新型コロナのような感染症は国際社会が一致して対応する必要がある」との立場を示しつつ、「WHOによる国家主権の制限や基本的人権の侵害、各国の自主的な判断を妨げるような内容、罰則義務等を課すことは議論されていない」と明言した。「交渉状況も踏まえ、丁寧かつ正確な情報提供に努める」と応じた。

29日、スイスのジュネーブにあるWHOの本部では、パンデミック条約の策定に向けた各国間の最後の会合が始まり、議論は大詰めを迎えている。WHOによる強権的な介入を懸念する声がある一方、政府はパンデミック対策における国際協調の重要性を強調している。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。
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