護衛艦「いずも」を中国ドローンが撮影? 海幕長「電波妨害で対応可能」

2024/04/02
更新: 2024/04/02

海上自衛隊が運用する護衛艦「いずも」をドローンで撮影したとみられる映像が、中国の動画投稿サイト「bilibili」などに投稿された問題について、酒井良海上幕僚長は2日の記者会見で「電波を妨害し操縦不能にする」対応が可能だと指摘した。動画の真偽についてはコメントを控えた。

問題となった動画は3月下旬に投稿されたもので、護衛艦「いずも」の飛行甲板の上を飛行する様子を映したものだ。無人機による偵察・攻撃が実用された今、動画は大きな波紋を呼んだ。いっぽう、生成AIで作成されたフェイク動画であるとする意見もある。

酒井良海上幕僚長は「動画が本当にドローンから撮影されたものかについて確認中だ」と述べ、詳細についてコメントを控えた。自衛隊は基地周辺を厳重に監視しており、もしドローンの侵入を発見した場合には、「電波で妨害し、操縦者がドローンを操縦不能にする」対応を取ると述べた。

木原稔防衛相は同日の記者会見で「海上自衛隊の横須賀地区は、小型無人機等飛行禁止法に基づき、管理者の許可なくドローン等を飛行させることが禁止される対象防衛関係施設に指定されている」と説明。違法なドローンの飛行に対して警察などの関係機関と協力して対処すると述べた。

映像については「悪意をもって加工捏造されたものである可能性を含めて、現在分析中だ」とコメントした。

いっぽう、インターネット上では、ドローンを使わなくても基地周辺の建物から敷地内を観察できるとの意見が複数寄せられ、自衛隊基地などの重要施設の防護の重要性が改めて浮き彫りになった。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。
清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。