中国では近年、小学校の校門近くで児童や生徒を狙った「社会報復」事件が相次いできた。そのため「対策」に乗り出す学校も現れている。
例えば、山東省済寧市のこの小学校では「眺望台(塔)」という、やや原始的な対策がとられているようだ。登下校する子供たちを見守るため、教師や警備員などが、道端に設けられた5メートルほどの「高い台」の上に立つのである。
アイディアは結構である。しかし、5メートルの高さから下りる時間のロスがあるので、子供たちに暴漢や暴走車が襲いかかった瞬間には、おそらく間に合わないだろう。
今月4日に撮影されたとされる動画がSNSに流れている。そこには、1列になって通学する小学生の列のそばに、確かに、人が立っている「眺望台(塔)」の光景があった。
関連動画には「子供の安全を守る工夫は重要だ」「学校の取り組みに感心する」といった支持コメントのほかに、こんなコメントも寄せられた。「中国は世界一安全な国だ」。
何を根拠にそう言うかは不明だが、中共当局は、自国を「世界一安全な国だ」と自慢している。
しかし今では、中国の抱える現実に対する最大級の皮肉が、この「世界一安全な国」となっている。
子供が巻き込まれる事故死や行方不明事件があまりにも多いのが、今の中国である。中共政府がいう「世界一安全な国」は、もはや中国人の誰もが苦笑いするブラックジョークであり、痛烈な皮肉であるからだ。
(さすが「世界一安全な国」。小学校の校門近くに、登下校時の子供を見守る「お立ち台」が設けられたという)
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