iPhoneの新機能「NameDrop」、米警察が警告「知らぬ間に個人情報流出の恐れ」

2023/11/30
更新: 2023/11/30

アップルの「NameDrop」機能について、複数の米警察署は子供やその他の弱い立場の人に危険をもたらす可能性があると警告した。

アップルは最新のiOS 17.1のアップデートで、デバイスを近くに置くだけで情報を共有できる「NameDrop」をリリースした。同機能はデフォルトでオンになっていることから、警察は知らぬ間に個人情報が抜き取られる可能性があるとしている。

オハイオ州ミドルタウン警察署は、26日付のフェイスブック投稿で「自動的にインストールされるNameDropは、iPhone同士を近づけるだけで、連絡先や写真を別のデバイスと簡単に共有することが可能になる」と述べ、子供の安全を守るため、これらの機能をオフにするよう保護者に呼びかけた。

コネチカット州ウォータータウンCT警察も、投稿で同様の注意喚起をした。「この機能を有効にすると、2台のデバイスをロック解除した状態で接近させ、画面をタップするだけで自動的に連絡先情報を受け取ることができる」

サウスカロライナ州グリーンビル郡保安官事務所も「高齢者や子供、その他の弱い立場の人が見間違えたり、見過ごしてしまう」可能性のあるため注意が必要だと指摘した。

「NameDrop」が情報を共有するには、双方の画面ロックを解除し、「共有」をタップする必要がある。そのため一部の専門家は過度な心配は不要だと指摘した。サイバーセキュリティ専門家のアミール・サックス氏は「双方の携帯を2.5センチ以内に置くなどの条件が必要なため、情報の抜き取りは現実的ではない」と米CBS 12に語った。

画像操作のリスク

警察からの警告は、子供たちのデジタル・セーフティに対する懸念が高まっている中で出された。見知らぬ人と個人情報や写真を共有する子供たちは、搾取の危険にさらされる可能性がある。

連邦捜査局(FBI)は最近、見知らぬ人に画像を送信することで、悪人がAI画像加工を使い「本人にそっくりに見える性的画像を生成し、ソーシャルメディア、公共フォーラム、ポルノサイトで拡散させる恐れがある」と警告した。

デジタル・セーフティの専門家であるヤロン・リトウィン氏も、エポック・タイムズに対し「オンラインに投稿する画像には、知り合いしか閲覧できないネットワーク内に留めるなど、慎重になる必要がある」と語った。

非営利団体「全米行方不明・被搾取児童センター」の報告書によると、同団体の通報窓口には昨年4900万件以上の児童の性的虐待や搾取を描写した画像が寄せられたという。

英語大紀元記者。担当は経済と国際。