病院内は「窒息しそうなほど」の凄惨な光景 すでに医療崩壊状態か=中国

2023/11/30
更新: 2023/11/30

現在、中国では全国範囲で疫病の感染が爆発している。

各地の病院、とくに小児科病院は、あふれる患者でごった返しており、もはや崩壊寸前の段階を超えて、実質的に「医療崩壊が起きている」といっても過言ではない状況だ。

病院内には、今にも窒息しそうになるほどの「凄惨な光景」が広がっている。そこでは、無数の子供たちの命が、まさしく風前の灯なのだ。

「我が子の前には、まだ300人も順番待ち患者がいる」。その母親は、40度の高熱を出した娘を抱いて病院へ連れてきたが、2日経った今も、まだ診察を受けられない。

高熱と呼吸困難で苦しむ娘を胸に抱いたまま、せわしく呼び出しパネルを見つめる母親。彼女自身も、もはや倒れそうなほど疲れ切っている。

なかには、救急外来のホールで「1週間」も寝泊まりして、子供の入院の順番待ちをする父親の姿もある。1歳2か月の娘は、10日前から40度の高熱が続き「マイコプラズマ肺炎」と診断された。父親である陳さんは、娘がすでに「白肺」という重篤な状態になったにもかかわらず、入院させることができないという。

病院からは「あなたの娘より、もっと重症の子でも(入院の)順番待ちをしている」と告げられた。この若い父親は、娘の入院の順番を待つために、病院のホールに1週間も泊まりこんでいるのだ。

11月25日の深夜12時、中国南部のある病院に、生後4か月の赤ちゃんが救急車で運ばれてきた。小さな乳児を抱いた老人は、疲労で倒れた両親に代わって、重症の孫を連れてきた祖父であろうか。

おじいさんは、泣きそうな顔で「どうか、この子を先に診てもらえませんか」と看護師に懇願した。しかし「あなたの前に、もう9時間近く順番待ちしている患者がいる。その中には、40度の高熱を出している人もいる」と言われ、断られてしまった。

時刻は、すでに真夜中である。おじいさんと生後4か月の孫は、二人とも額に「熱さましの冷却シート」を貼って、じっと診察の順番を待つしかなかった。その番号は、すでに700番を超えていた。

各地の病院は昼夜を問わず大混雑している。院内はいたるところで、診察や入院の順番待ちをする患者やその家族が「ごろごろと転がっている」状態だ。

このまま、ここで患者の命が尽きていたとしても、すぐには気づかれない。この状況から推察して、救命の蘇生措置も行われないだろう。

戦争中の野戦病院よりも凄惨な光景が、今の中国の病院には、極めて普遍的に存在している。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。