何があった?日本保守党、大阪街宣で大混雑…予想外の人手「体制強化図る」

2023/11/13
更新: 2023/11/13

放送作家の百田尚樹氏とジャーナリストの有本香氏が立ち上げた政治団体、日本保守党の街頭演説が11日、大阪梅田駅前で行われた。しかし、想定以上の人が集まり、安全上の問題が生じかねないことから警察は中止を要請。主催者側は中止を決めた。一部には「偽情報による演説妨害」との情報もSNSに広がっている。現状はどうだったのか。大紀元エポックタイムズは警察や消防に取材した。

演説は予定より10分繰り上げて、17時50分に始まった。18時ごろには複数の消防車が到着。その後、パトカーも到着した。演説開始から20分あまりが経ったころ、マイクを持つ演台の百田氏が、警察の中止要請があったことを明らかにし、街宣の中止を発表した。

梅田地域を所轄する曽根崎警察署によると、当日、多くの人々が集まる演説会場で「気分が悪くなられた方がいる」との主催者側の通報を受けたという。このほか「人が多すぎて雑踏事故になりかねない」「通行ができなくなっている」といった複数の通報があったとした。

警察や消防、救急車両が多数出動したことで現場は一時騒然となった。「将棋倒しが起きたとの情報がある」との質問に対して、同署は「実際、そのようなことは起きていません。もし起きていれば、今頃大ニュースとなっていますよ」と述べた。

大阪市消防局によれば、消防車の出動台数は23台という。なぜ、ここまで多数の消防車が出たのか。「多数の人が倒れた、という通報を受ければ、それが将棋倒しか催涙ガスの原因によるものかわかりません。様々な危険は考えられます。この場合、集団災害への対応を想定します」とした。一方、今回の街頭演説に関しては「ケガ人、搬送者はいません。ゼロです」と回答した。

消防団20年の経験を持つ日本保守党党員の荒川区議会議員、小坂英二氏は「今回の通報者の意図が危険予防のためか、別の思惑かは不明ですが、消防、警察の皆様には安全確保のために奮闘して下さっていることに感謝と敬意を伝えたい」とコメントした。

演説の最中、梅田駅に直結するヨドバシカメラ・マルチメディア梅田の店舗関係者が百田氏や有本氏に演説中止を強く求める動画が出回っている。日本保守党は13日発表の声明で、12日までに店舗へ騒動に関するお詫びを伝えたことを明らかにした。

日本保守党はこれまでに東京、名古屋、そして大阪での演説を行い多数の聴衆を集めてきた。声明によれば「事前の警察との協議により道路使用許可を得て、誘導員を配置したが予想外の人出により混雑が生じた」と釈明。「今後、日本保守党はこの経験を踏まえ、街宣活動の体制強化を図る」とした。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。