政府は8月4日、令和8年(2026年)熊本地震の被災地を支援するため、今年度予算の予備費から総額242億円を支出することを閣議決定した。地震発生から1週間が経過し、被災地での対応が救命・救助から生活再建やインフラ復旧へ移る中、必要な物資の供給や道路の応急復旧、仮設住宅の提供などを財政面から支える。
木原官房長官は閣議後の記者会見で、「被災者のニーズは日々変化する。丁寧に、より寄り添い、取り組みを加速させる」と述べ、被災地の早期復旧に全力を挙げる方針を示した。片山さつき財務相も「高市内閣としてできることはすべてやる」と述べ、被災者の生活と事業の再建を支援する考えを強調した。
予備費の内訳は、災害復旧に206億円、被災地へのプッシュ型物資支援に24億円、救助業務への支援に12億円である。
災害復旧費は、九州自動車道の橋梁をはじめ、被災した道路やインフラの応急復旧に充てる。物流や住民の移動を支える交通網の回復を急ぐ。プッシュ型支援では、自治体からの要請を待たず、水や食料、段ボールベッドなどを供給する。避難所などで使用するスポットクーラーも支援の対象となる。救助業務への支援は、都道府県が行う応急仮設住宅の提供などに活用する。
政府は今回の予備費支出と並行し、熊本地震を「本激」と呼ばれる激甚災害に指定する手続きも早急に進める。高市早苗首相は被災地を視察し、避難所などを視察し、被災地の甚大な被害状況を確認した。木原官房長官は、公共土木施設や農地などの復旧事業を対象とする指定に向け、作業を急ぐ考えを明らかにした。
激甚災害制度は、大規模な災害で自治体に過重な財政負担が生じることを防ぎ、復旧事業を国が手厚く支援する仕組みである。被害額などが法令上の基準を満たした場合、中央防災会議の意見を踏まえ、政府が政令で指定する。
激甚災害には、災害全体を対象とする「本激」と、被害が特定の地域に集中した場合に市町村単位で指定する「局激」がある。本激に指定されると、要件を満たす被災自治体は、道路や河川、農地、農業用施設などの復旧事業について、通常より高い国庫補助を受けられる。国の補助率が引き上げられることで自治体の自己負担が軽減され、財政力の弱い自治体でも大規模な復旧事業を進めやすくなる。中小企業に対しても、一般の保証枠とは別に災害関係の信用保証を設けるなどの特例措置が講じられる。
被災地では、災地で発生した膨大な災害廃棄物の処理も課題となっている。熊本県内の12市町村では、予定していた全ての仮置き場が開設された。一方、搬入車両が集中し、周辺で激しい渋滞が発生している。
政府は環境省職員や全国の自治体職員を現地に派遣し、廃棄物の分別や仮置き場の管理、搬入ルートの見直しなどを支援している。今後の廃棄物増加を見据え、追加の仮置き場の確保も検討する。
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