中国の内モンゴル自治区では、最近の1週間の間に「腺ペスト」の感染者が3人確認されている。ペスト菌によるこの感染症はノミや動物から人へ感染することに加えて、人から人へも感染するため、今後「感染が広がるリスクがある」として専門家は警鐘を鳴らしている。
内モンゴル自治区中部の錫林郭勒(シリンゴロン)盟の衛生当局は12日、盟内の住民2人が腺ペストに感染したと発表した。2人は、7日に感染が報告されていた女性患者の夫と娘で、同じ家に住んでいたという。
「感染者3人」とは言うが、近年の感染症発生時に、中国政府が公表するデータの信ぴょう性を考えると、今回内モンゴルで発生したペストの感染状況についても「過少報告されているのではないか」と疑う声は少なくない。
「腺ペスト」はペストの最も一般的な形態で、ネズミなどのげっ歯類からノミを介して感染し、重症化すれば高熱や意識障害を引き起こす。
ペストは中世ヨーロッパで大流行が繰り返され、推定5000万人が死亡した。皮膚が黒くなって死亡するため「黒死病」として恐れられてきたが、現代では早期に抗生剤を投与すれば治療できる。
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