米国などの各国政府は、24日にウクライナに侵攻したロシアに制裁措置を発表した。米議員と専門家は、米国や北大西洋条約機構(NATO)などは引き続き中国共産党政権の脅威に注視し警戒する必要があるとの見解を示した。
中国当局に焦点を
米国のマルコ・ルビオ上院議員とマイク・ブラウン上院議員は中国当局が現在ウクライナ情勢に細心の注意を払っていると指摘した。
米FOXスニュース23日付によると、ルビオ議員は米国がウクライナ情勢への注力が「多すぎる」と述べ、「中国当局に焦点を当てないわけにはいかない」とした。
ルビオ議員は、米国の協力の下でNATOがウクライナ情勢への対応を主導できるとの認識を示し、米政府としては中国当局に焦点を当て続けなければならないと強調した。
ブラウン議員は24日、大紀元英語版の「エポックTV」の取材に対して、「長期的に見て、(米国の)最大の敵はロシアではなく、習近平と中国当局の戦略だ」と述べた。
ブラウン議員は、中国当局が米国と同盟国の対ロ制裁がもたらす具体的な効果を見極め、台湾に関する戦略に反映させようとしていると述べた。現在、中国がどのような方法で台湾を統一するかは不明だが、同議員はロシア側の侵攻を制止しなければ、中国側は台湾侵攻を加速させる可能性が高いとした。
「私には中国当局が(台湾侵攻の)プロセスを短縮したいように見える。プーチン氏ができることをみて、特にわれわれがプーチン氏に代償を支払わせなかったことをみて、中国側は大胆に(台湾侵攻を)実行していくだろう」
ルビオ議員は23日、米ニュースマックスの番組「Spicer&Co.」に出演した際、中国共産党政権の野心は台湾の武力統一にとどまらず、「将来、南シナ海での主権を主張するだろう。日本やフィリピンと直接衝突する」と述べた。
「中国当局が南シナ海における世界で最も重要な海上交通路を支配すれば、われわれは中国当局に通過費を支払わざるを得なくなる」とルビオ氏は警告した。
最大の脅威は中国共産党
米国の国際政治専門家で作家のアンダース・コア氏は25日、大紀元英語版への寄稿で、米国やNATOなどは、ロシアの約10倍の経済規模を持つ中国共産党政権に対応しなければ、同盟国や他の民主主義国を守ることができないと主張した。
中国当局はロシア、イランと深い関係を結んでいる。コア氏は、「ロシアのウクライナ侵攻に倣って、中国当局は台湾、イランがイラクやシリアに侵攻する可能性がある」と指摘し、世界の民主主義を脅かしているとした。
特に、中国当局とロシアの経済的な結びつきで、西側がロシアに制裁を科したとしても、中国当局はロシアに「ライフラインを保障していく可能性が高い」とコア氏は指摘した。
コア氏は今月4日、中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が会談した後、「中国の最高指導部はウクライナ情勢について話し合うために、数日間密室に集まった」との米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道を引用した。
同氏は中国最高指導部がロシアに経済的な支援を約束しなかったら、ロシアはウクライナ侵攻を決断できなかったと推測した。同氏はまた、中国当局が「裏で糸を引いて世界中の独裁者を操っている」とし、米国とNATOが問題の根源である中国当局に対処しなければならないと主張した。
ブラウン上院議員は24日の取材で、「中国はロシア経済に命綱を付けた」と述べた。
中国税関当局、海関総署は24日、ロシア全土から小麦輸入を受け入れ始めると発表した。これはロシアにとって西側の制裁の影響を和らげる可能性がある。
米シンクタンク、大西洋評議会(Atlantic Council)グローバル・チャイナ・センターのマイケル・シューマン研究員は、中国当局ほど国際社会の秩序に大きな脅威を与える国はどこにもないと批判した。「ロシアは多くの分野で衰退しつつあり、ロシア経済には政治的な悪影響を回避できるような活力はない」「中国当局はロシアと違い、経済力、外交力、軍事力を拡大している。中国共産党は権威主義の先鋒となっている」と同氏は示した。
中国問題専門家で大紀元英語版のコラムニスト、アントニオ・グラセフォ氏は、「われわれの敵はロシアというよりも、中国当局の方だ」と大紀元に語った。
「中国当局は米国に代わり、世界の軍事と経済超大国となるために5カ年と10カ年の発展計画と目標を公表している。ロシアにはこのような野心はない。中国当局は台湾や日本の領空や領海、インドの領土に侵入し、フィリピンやベトナムとも領土問題で衝突した。われわれのDNA情報なども窃盗している。中国当局が米国の最大の脅威と証明できる理由は多くある」
(翻訳編集・張哲)
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