北京市警察は21日、買春の容疑で著名ピアニストの李雲迪(ユンディ・リ)氏(39)を逮捕したと発表した。中国当局の官製メディアは相次いで李容疑者を批判した。芸能界への取り締まり強化の一環とみられる。
北京市朝陽区公安局(警察当局)は21日夜、SNS微博(ウェイボー)で、「朝陽区の住民の通報を受け」、李容疑者逮捕を発表した。
李容疑者は2000年、中国文化部(省)の指名を受けて、第14回ショパン国際ピアノコンクールに出場し、最年少で優勝した。同氏は国内外で数々のコンクールで受賞し、2015年の第17回ショパン国際ピアノコンクールでは、最年少の審査員を務めた。
警察当局の発表を受けて、中国共産党機関紙・人民日報と政府系メディア「中国新聞網」は微博上で、現在、バラエティー番組に出演している李雲迪氏は「金儲けをしながら、違法行為を繰り返している」と一斉に批判した。
中国音楽家協会は同日夜、同容疑者の会員資格を剥奪したと発表した。今後、音楽活動が困難になるとみられる。
同氏の演奏動画は現在、すべての音楽サイトから削除された。
中国の習近平政権はこのほど、「共同富裕」を打ち出し、貧富の差の是正に取り組んでいる。
8月、中国当局は中国系カナダ人俳優、呉亦凡氏を女性に対する性的暴行の疑いで逮捕した。その後、人気女優を巨額脱税容疑で相次ぎ摘発するなど、高収入を得ている芸能界への取り締まりを強化している。
(翻訳編集・張哲)
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