中国共産党(以下、中共)の挑発により台湾海峡の緊張が高まるなか、豪州在住の元中国外交官である陳用林氏はこのほど、大紀元のインタビューで、中共による台湾侵攻を阻止するために、米国は台湾を守る姿勢を明確かつ強力に打ち出すべきだと語った。
陳氏によると、習近平総書記は、紅二代(中共政権樹立に関わった中共幹部の子女)として中国の最高権力を手に入れ、党内での権威を高めたいのであれば、台湾統一の道を選ぶに違いない。中共の拡張ロードマップでは、台湾統一は「歴史的任務」と位置付けている。長期目標としては、中共政権樹立100年の2049年までに、中国が米国を抜いて世界の覇権国になることを目指しているという。
陳氏は「中共は海外で、金銭外交により台湾の国際社会における活動空間を圧迫し続けている。遅かれ早かれ、中共は台湾に対して全面戦争を起こさなければならないだろう」と台湾攻撃が時間の問題であることを指摘した。
「この30年間、中共は軍事研究開発に巨額の資金を投入しており、台湾の安全を脅かしている。中共にとって、香港は台湾統一の実験場であり、香港が暴力で抑えることができるなら、台湾も本土化できると考えている」
陳氏は、「台湾に対する米国の『戦略的曖昧さ』は、中共にとっては何の脅威にもならない。米国は今、中共を牽制するために、台湾防衛に協力する意思を明確にすべきだ」と強調した。
「米国の態度は非常に重要になってきた。米国は世界最大の軍事大国であり、中共と戦えば、中国軍は間違いなく負けるだろう」とした。
2005年5月、在シドニー中国領事館の一等書記官だった陳用林氏は、領事館を離れ、妻子とともに豪州に政治亡命した。
香港蹂躙で西側の忍耐を試す
陳氏によると、現在、中共は台湾を侵攻する意図を持っているが、唯一の懸念は、米国をはじめとする西側諸国が台湾防衛にどこまで協力するかということである。また、中共は、台湾侵攻に伴う国際からの制裁にどう対応するかも検討している。
「中国共産党は香港を実験場にして欧米の反応を観察していた。しかし、香港に関しては、欧米諸国の反応が悪かった」と陳氏は指摘した。
陳氏は大紀元に、「中共はその誕生から秘密組織であり、破壊活動に特化した政党である。中共は大量の工作員や秘密部隊を香港に送り込み、容赦ない弾圧を行った」と語った。
陳氏は、中共はあらゆる手段を尽くして台湾侵攻を準備していると考えている。「中共は金銭外交攻勢や対外浸透に長けている。中共は間違いなく、台湾とのつながりを利用し、役人や有力者を買収するなど、できることなら何でもするだろう」と述べた。
習氏演説、崩壊に危機感あらわ
陳氏は、習氏の結党100年式典演説には、「権力の維持」「軍の強化」「闘争」という3つの要点が含まれていると述べた。同氏によると、「権力の維持」は、民心離反や権力闘争などに対する党内の危機感を表し、「軍の強化」は中共の軍事的野心を示している。「闘争」は、習氏が国内で抑圧政策を、海外では戦狼外交を続けることを物語っているという。
陳氏は、「西側諸国は、関与政策で中共の政策に影響を与え、中国を民主化へと導くことができると信じていた。しかし、中共は逆に、関与政策を利用して軍事力や経済力を獲得し、中国国民を抑圧する力を強めてきた」と指摘した。
「したがって、中共の目下の最大の懸念は、西側諸国の中国経済とのデカップリング(切り離し)、技術封鎖、軍事的・外交的な同盟関係の構築による対中包囲網である」と陳氏は強調した。
同氏は最後に、「国際環境の悪化、党内の権力闘争の激化、経済の低迷などにより、習近平政権にとって状況はさらに厳しくなる。中共は崩壊からもう遠くない」との認識を示した。
(翻訳編集・王君宜)
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