今月初め、米メディアは、「史上最高位の亡命者」である中国共産党(以下、中共)の幹部が米国に亡命したと報じた。ここ数日、この亡命者が中国の情報機関である国家安全部の董経緯副部長(次官級)だという噂がインターネットで広まっている。しかし、中国国営の新華社通信18日付は同氏が防諜会議を主宰したと報じ、火消しを図った。
米シンクタンク、ハドソン研究所の元客員研究員ハン・リャンチャオ(韓連潮)博士は16日、「友人から董副部長が米国に亡命したという噂を聞いた。本当ならば、大きな爆弾だ」とツイートした。投稿では、関連する噂も紹介している。
それによると、董氏は、武漢ウイルス研究所から中共ウイルス(新型コロナウイルス)が流出したという「決定的な証拠」を米国に提供した。これにより、バイデン政権や米メディアは、ウイルスの発生源について考えを改めたという。
また、ツイッターアカウント「陳塘関」は董氏のプロフィール写真を投稿し、「董副部長は中共の生物兵器計画を暴露するために米国と協力している。(中略)現在、百度百科(中国版ウィキペディア)上の彼に関する情報はすべて削除されている」とツイートした。
情報の真偽は今のところ不明だ。18日付の新華社通信によると、同日午前、国家安全部の董経緯副部長がシンポジウムを主宰し、今年4月26日に施行された「スパイ防止安全注意事項」の実施に向けて、スパイ・内通者防止策を検討したという。同報道は噂を意識したものとみられる。
ウィキペディアによると、董氏は1963年中国河北省趙県生まれ。2006年2月から17年3月まで河北省国家安全部の部長を務めた。中国国家安全部政治局の局長を経て、2018年4月に同部の副部長に就任した。
「亡命者が中国の生物兵器計画に精通」
米FOXニュースのキャスター、タッカー・カールソン(Tucker Carlson)氏は4日、自身のブログ「Team Tucker Carlson」に「米国で保護されている中国の亡命者、その影響は甚大かも」と題した記事を掲載した。
カールソン氏は記事の中で、保守系ブログサイト「RedState」の情報筋を引用し、「史上最高位」とされる中国からの亡命者が、数カ月前からアメリカ国防情報局(DIA)で働いていたと報じた。亡命者の身元は明らかにしていなかった。
また、DIAの保護下にあるこの亡命者は、生物兵器計画を含む中国の特殊兵器プログラムに精通している。DIAの首脳部は、米国連邦捜査局(FBI)や中央情報局(CIA)などの米政府機関が中共スパイを匿っていると考え、亡命者との接触を拒んだという。
1985年に米国に亡命した兪強生・元中国国家安全部北米情報部主任が、これまでの中国からの亡命者中、最高位の人物とされている。
(翻訳編集・王君宜)
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