「台湾旅行法」が成立へ、台米協力関係を強化

2018/03/06
更新: 2018/03/06

米国上院は現地時間2月28日、米国全レベルの官僚の台湾訪問を可能にする「台湾旅行法(Taiwan Travel Act)」を全会一致で可決した。下院は1月にすでに通過したため、今後トランプ米大統領の署名を経て、同法を発効する。台湾専門家は中国当局の報復措置が一段と強まるものの、効果が乏しいと分析する。

1979年、中国大陸の共産党政権と国交を樹立した米政府は、台湾の中華民国と国交を断絶した。台米官の相互訪問は翌年の台湾関係法施行以来、米側によって規制されてきた。中国共産党が掲げる「一つの中国」原則に配慮したからだ。

 今回の法案は米台関係の40年ぶりの見直しとなった。トランプ大統領が拒否権を行使しない限り10日後(日曜日を除く)に発効する。

台湾大学国家発展研究所の曽建元・博士は大紀元に対して、「同法の発効によって、台米関係が正常化するだろう」とみており、「同法を通じて、米政府は中国をけん制する狙いがある。米の対中政策の大きな転換点でもある」と話した。

曽博士は、台湾旅行法が発効すれば、米台間で準外交関係と、東アジアにおける双方の準軍事同盟関係の確立を意味する、との見方を示した。

トランプ大統領は昨年末、米と台湾との防衛関係の強化を規定した『2018国防授権法(National Defense Authorization Act)』に署名し、同法が成立した。

曽博士は、台湾と米国には、共通の建国精神を持ち、西太平洋地域において共通した政治・経済利益があると指摘。「国防授権法と台湾旅行法を合わせてみると、米台の高官は今後、互いに頻繁に訪問すると予想できる。両政府間の連携も一段と密になる」と評価した。

一方、中国当局は台湾への報復措置を緩めないだろうと述べたが、「中国側が出せるカードは少ない」と指摘した。「政治面において、国際社会で台湾の孤立化を引き続き図っていくだろう」とする一方、経済面の報復策はあまり効果がないと同氏は分析する。

蔡英文政権はこれまで、対中経済の依存度を低下させてきた。中国当局が台湾に経済制裁を加えれば、「中国市場から撤退する台湾企業がかえって増え、対中経済の依存から早く脱却できるメリットがある」

軍事面では、米国にけん制され、中国側が台湾を侵攻する可能性は低いという。中国当局が台湾に対して軍事行動を起こした場合、東アジアおよび西太平洋地域の安定を脅かし、関係諸国との関係が悪化する恐れがあるとした。「台湾、米国、日本などの関係にうまく対応できなければ、中国国内の政治情勢を複雑にし、共産党内の各派の対立が激しくなる」と曽氏が分析。

 

(翻訳編集・張哲)

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