【大紀元日本1月30日】シンガポールの初代首相、「建国の父」とされる現顧問相の李光耀氏はこのぼど、中国が突出すれば、必ずしも米国のように温和な覇者にはならないとの見方を示した。
今月21日に発行されたインタビュー本『李光耀:シンガポールが生き残るための厳然たる真実(Hard Truths to keep Singapore going)』の中で、同氏は中国に対する見方を率直に示した。英BBC(中国語版)がその一部を取り上げた。
中国の突出について、中国主導型の世界構図への見方を求められた同氏は、「現在の米国主導型の世界構図がシンガポールにとってベストである」と答えた。
その理由について同氏は、米国は覇権であるが「温和な覇者」であると指摘している。世界の政治的な構図は現状維持が望ましいと説明した一方、台頭する中国の「覇者にならない」とのアピールを信じないとの見方を示した。
同氏が公に米国主導型の世界構図への支持を示したのは、今回が初めてではない。2009年の訪米演説でも、米国に対し地域の力関係の均衡にさらなる役割を果たすよう呼びかけ、「そうしないと、米国は世界の主導的な地位を失う」と警鐘をならしていた。後に、この発言に対し、中国のインターネット利用者が強い反発をみせた。中国への非友好的な発言と見なされた。
同氏は、中国がさらに強くなれば、シンガポールは難しい局面に立たされかねないとの見方も示した。「彼ら(中国)は世界にもっと尊敬されるべきだと思い始めるであろう。すべての国に対して、自分は覇権ではないし、覇者にはならないと言いながらも、いったん我々が彼らの機嫌を損なうことをすると、彼らは『あなたは13億の人民に不愉快な思いをさせた』と言い出す。その一方で、彼らが我々に不愉快な思いをさせたときには、『たかが百万人が不愉快になっただけだから』と言われる。彼らは我々に自分の身の程を知らせようとしている」と語った。
今月発行された同書は、シンガポール紙「海峡時報」の記者チームが同氏への取材を総結した一冊であり、国際情勢や、シンガポールの経済、政治、移民政策などの内容が含まれている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。