【大紀元日本11月24日】独メルケル首相は11月21日、ドイツ最大手紙「ビルド」で、ダライラマとの会見の決断は正しいとし、ドイツ社会民主党(SPD)のスタインマイヤ外相に対して、北京政府の外交圧力に対抗し、自分と同じ立場をとるよう呼びかけた。
報道によると、メルケル首相は「総理として、誰とどこで会見するのは自分で決める」と主張し、「連邦政府はこの立場を固く守り続けるべきだ。さもなければ、中国政府は我々に対して更なる敬意を示すことはできないのだ」と強調した。
メルケル首相は、ダライラマと会見することはドイツが中立の立場であることには変わらないとし、中国が経済大国に上り詰めている意義を否定することでもないと主張した。また、中国指導者が自らダライラマと会見するよう勧めた。何故なら、ダライラマは文化における自治およびチベット人の人権保障を求めているだけだとコメントした。
*中国政府の報復措置
独誌「シュピーゲル」最新号によると、中国はスタンブリク独財政省長が来月北京で、新しく就任した中国の謝旭・財政部長との会談を取り消したほか、毎年定期的に行われている両国間の外相による経済貿易および人権議題を含む「戦略対話」を凍結することも決めたという。独・中の外交関係35周年記念の一連の活動にも影響されるとみられる。
独外交関係者は、中国政府はメルケル首相の行動に対して、フランスとの外交関係を強化し、フランスが独・中の政治空間を埋めることによって、フランスはさらに多くの発注を受けることになるとコメントした。
*北京の反発、メルケル首相の正しさ証明
独メディアは中国政府が独財政省長の訪中を取り消したことに強い関心を寄せている。「南ドイツ新聞」紙の社説は、北京政府が反発したことで、メルケル首相の対中政策が正しいことを証明していると示した。
社説では「ドイツの政府首脳が果敢に人権を提起し、中国に対して真剣に偽物の製造中止を求めた上、中国に偏向したアジア政策を中止した。北京の共産党権力者はこれを嫌うことは予想しているはずだ。過去数年間、コールおよびシュレーター首相が政務を執った時期に、中国はドイツを特別な友好関係として扱い、ドイツは中国に対してひれ伏した。北京政府は人権を踏みにじることができると勘違いした」と示した。
また、「しかし、メルケル首相が政権を執ってから、すべてが変わったことに中国人が驚いている。首相は中国の軍部視察をせずに、迫害された主教と面会した。ドイツはこれまでに十数億人口の大きい市場の夢のアジア政策に浸る時期が長すぎた。メルケル首相は今、印・中の近隣諸国にもっと希望を託しており、これが正しい戦略だ。中国に対するむやみな熱望をもっと早くから是正すべきだった。遅くても、中国経済の発動機が停止して初めて、人々がメルケル首相の卓越な先見の明を賞賛するのだ」と称えた。
英紙「ザ・デイリー・ミラー」は、「中国の反応は徐々に台頭した大国の実力を表しているものではない。反対に、北京の怒りの裏には安全が欠如していることが感じられる。中国は政治および経済において、世界に深く溶け込むほど外界の圧力が大きくなる。人権および法制問題において、中国は世界の準則を遵守すべきだ」と強調した。
報道では、ドイツはこれまでに中国への輸出が輸入を上回っていたことから、貿易発展を脅かさないようにするために、チベット、台湾および天安門事件など北京指導者を刺激するようなことを禁句にした。しかし、貿易関係が逆転し、中国からドイツへの輸出が輸入を超過したことから、後の政治結果をもたらしたと示した。「北京政府はある時期において、ダライラマの件でドイツ企業への発注を減らすが、それでも独・中両国の根本的経済関係には影響しないのだ」と分析した。
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