ドイツ連邦銀行(中央銀行)は11月の月次報告書の中で、中国不動産開発大手、中国恒大集団の債務危機はドイツや他国に「顕著な経済的影響を与える可能性がある」との見解を示した。報告書は、現在、その影響は「過小評価されている」と指摘した。
ドイツ連邦銀行の試算では、中国恒大などの債務危機による中国不動産市場低迷で、ドイツの輸出が減少し、国内総生産(GDP)の0.6%を失うことになる。「中国経済への依存度の高い国はGDPの損失がより大きくなる」と予測した。
独ITコンサルタント会社、ハウフェ・グループ(Haufe Group)はウェブサイト上で、ドイツ銀行の資産運用部門であるDWSグループや専門家の分析を掲載した。
DWSは、中国恒大の債務問題について、関わる外国人投資家が限られているため「中国国内の問題」であり、米国発のリーマンショックのように国際的な影響はないとした。しかし、中国不動産市場の落ち込みで、鉄鋼、木材、セメントなどの建設用材料の国際価格に影響が出ると示した。
フランクフルト金融経営大学の中国・ドイツセンター(SGC)のホルスト・レーチェル(Horst Löchel)教授は、中国恒大の問題はドイツの輸出産業に打撃を与えるとの見解を示した。教授は、中国GDPに占める不動産産業のウェイトは30%で、「ドイツGDPの全体規模に相当する」と指摘した。中国当局が不動産企業への締め付けを強化すれば、中国経済の成長は減速し、世界経済も打撃を受けるという。
(翻訳編集・張哲)
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