中国 間違いのツケは消費者に

AIが約束、しかし会社は「そんなの知らない」 中国で苦情急増

2026/08/28
更新: 2026/08/28

「AIに聞いても話が通じない。有人対応にもたどり着けない」

中国で、企業が導入したAIカスタマーサービスへの不満が噴き出している。

中国当局によると、ネット通販のAIによる顧客対応をめぐる苦情は2024年に6969件に上り、前年から56.3%増えた。

さらに2026年上半期、中国の消費者団体が受け付けた苦情は約98万5900件。このうちアフターサービスに関するものが26.79%を占めた。当局も、AIによる誤った約束や回答、有人対応につながりにくいことが、新たな苦情の焦点になっているとしている。

問題は、答えが的外れなだけではない。実際に金銭的なトラブルも起きている。

ある中古車サイトでは、公式AIが「車両価格に名義変更などの費用も含まれる」と案内した。ところが購入時には追加料金を請求された。

航空券でも、AIの案内を信じて手続きしたところ、40%の手数料を取られたケースがあった。

さらに、トラブルの解決方法をAIに相談したところ、誤った法律上の案内をされただけでなく、実際には効力のない「賠償を約束する文書」までAIが作成したケースも報告されている。

それでも一部の企業は、問題になると「AIの回答は会社の見解ではない」として、AIが案内した内容への責任を認めないという。

企業がAIを使う理由の一つは、人件費を抑えられることだ。しかし、注文確認など単純な問い合わせには対応できても、返金や賠償、責任の判断といった複雑な問題では限界がある。それなのに、担当者にもなかなかつながらない。

中国のネット上では、「『人間につないで』はネットで最も通じない呪文」と皮肉る声まで出ている。

AIに客の対応を任せておきながら、間違えたら「AIが答えたことなので知りません」では、客は納得できない。AIが企業の窓口になる時代、その回答に誰が責任を持つのか。中国だけの問題ではなさそうだ。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!