【分析】中国共産党はいかにイランを支援し 無人機で戦争のあり方を変えたか

2026/08/27
更新: 2026/08/27

メディアの分析によると、中国共産党(中共)の支援と大量の部品供給を背景に、イランの「シャヘド」自爆型攻撃無人機が現代戦のあり方を変えつつある。

安価な無人機、戦場の新たな脅威に

『ウォール・ストリート・ジャーナル』が8月25日に発表した分析記事によると、イランの「シャヘド」無人機は低コストで、大量に製造、発射できるため、ロシアによってウクライナの戦場で広く使用されている。

記事は一例として、7月初めのある日、キーウの各地で身の毛もよだつような防空警報が鳴り響いたと伝えた。ロシアはウクライナの首都に向け、プロペラではなくターボジェットエンジンで推進する新型の安価な使い捨て攻撃無人機を大量に発射した。

この攻撃には弾道ミサイルと巡航ミサイルも含まれ、約30人が死亡した。

ロシアは「シャヘド」を弾道ミサイルや巡航ミサイルと組み合わせて使用することが多い。ミサイルの威力はより大きいが、「シャヘド」の製造費は約2万ドルと安く、大量に発射することで、防空システムに高価な迎撃兵器を消耗させることができる。

ロシア軍の改良型「シャヘド」無人機は、よりミサイルに近いものとなり、時速約300マイル(約483キロ)に達する。これは旧型の約3倍である。ウクライナ当局者は、この高速無人機は迎撃がより困難だと述べた。

中国共産党が供給する部品が増加

記事の分析によると、この自爆型攻撃無人機はロシア軍による最新の技術革新であり、ほかの機種と同様、その実現を可能にしたのは中国である。残骸の一部を調査したウクライナ当局者によると、中国の工場が無人機のエンジンなどの部品を供給していた。

ウクライナ側がロシアの使用する無人機を分解したところ、一部の新型「シャヘド」には、より多くのアンテナ、モデム、SIMカードが搭載され、現地の通信ネットワークを利用して飛行経路を修正できることが分かった。こうした部品も中国製が増えている。

ウクライナ政府は一例として、ロシア軍が使用する新型ターボジェット式「シャヘド」無人機に搭載されたエンジンが、中国・深センの特利飛通信設備有限公司(Telefly Telecommunications Equipment)の製品だと指摘した。

同社は主にコンピューターや通信機器を製造する一方、小型ターボジェットエンジンも販売している。関連する製品情報は、同社の英語版ウェブサイトで明らかになった後、一時姿を消したが、中国語版やほかの言語のページでは現在も関連資料を確認できる。

中共外交部は先ごろ、中国側は軍民両用品目の輸出を厳格に管理しており、米国による一方的な制裁に反対すると、従来の弁明を繰り返した。

中国の供給網が重要な役割

中国の供給網の重要性が高まるにつれ、「シャヘド」の西側諸国製部品への依存度は次第に低下している。

記事が引用した米国の現職・元当局者や専門家の分析によると、ワシントンの主要な戦略的競争相手である中共は長年にわたり、エンジンや関連部品、サーボモーター、ジャイロスコープなど、「シャヘド」無人機の最も重要な部品供給網を支える存在だったといえる。

分析関係者は、イランのように孤立した国が、この時代で最も大きな変革をもたらす軍事技術の一つである、安価で空を飛ぶ殺人機械をいち早く開発し、輸出できたことについて、中共の供給網が重要な役割を果たしたと述べた。

重要な事例の一つが無人機のエンジンである。イランの初期型「シャヘド」が使用していたエンジンは、ドイツのリンバッハ・フルークモトーレン(Limbach Flugmotoren)の設計を基にしていた。

2012年、中国企業1社が同社のエンジンの代理生産を開始し、2017年にはこのドイツ企業を直接買収した。その後、米財務省は、イランとロシアの無人機計画に関係するこの中国企業に制裁を科した。

この自爆型無人機は、米国とその同盟国を悩ませているだけでなく、ウクライナの民間人の犠牲を増加させ、米国が中東で持つ軍事的優位も弱めている。

「シャヘド」無人機が拡散

「シャヘド」シリーズの自爆型無人機は、もはやイランとロシアだけに限定されていない。関連資料によると、中国とインドはすでに同様の無人機を開発しており、イランもほかの国々に関連技術を輸出している。

軍事アナリストのミック・ライアン氏は、将来、この種の低コスト攻撃無人機が「至る所に存在する」ようになる可能性があると指摘した。

この兵器が将来の戦争にもたらす真の影響は、無人機1機の破壊力だけではなく、極めて低いコストで相手の防空資源を大量に消耗させることにある。

ウクライナから中東に至るまで、戦場では一つの傾向が示されている。現代の軍事競争は、必ずしも高価な戦闘機やミサイルだけで決まるわけではない。低コストで武器を大規模に製造し、継続的に補充できるかどうかも、戦争のコスト構造を変える可能性がある。

高杉