国旗損壊罪法が成立 2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金

2026/07/17
更新: 2026/07/17

日本の国旗を損壊する行為を処罰対象とする「国旗損壊罪」の創設を柱とする法律が17日、参議院本会議における採決の結果、与党および一部野党の賛成多数をもって可決、成立した。

同法は自由民主党、日本維新の会、国民民主党、参政党の4党が共同提出したものである。

同法は、国旗を「社会通念上、国旗として用いられていると認められる有体物」と定義した上で、公然と、人に著しく不快感または嫌悪感を生じさせるような方法で損壊、除去、または汚損する行為を処罰対象とする。想定される行為態様には、実際の損壊行為に加え、損壊の様子を自ら生配信する行為なども含まれるとされる。

法定刑は2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金であり、この水準は現行刑法第92条が定める外国国章損壊等罪と同一である。

刑法には、外国の国旗を侮辱目的で損壊等した場合に処罰する「外国国旗損壊罪」(刑法92条)があるのものの、自国の国旗(日の丸)を損壊する行為については直接取り締まる規定がなく、他人の所有物である場合に「器物損壊罪」が適用されるにとどまっていた。

なお、該当性の判断については、行為の態様や周囲の状況等を踏まえて客観的に行うべき旨が規定されており、憲法が保障する表現の自由および思想・良心の自由といった基本的人権を不当に侵害しないよう留意すべきことが明記されている。

採決に際しては自民、維新、国民民主、参政の各党が賛成した一方、立憲民主党をはじめとする一部野党は、処罰対象となる行為の外延が曖昧である点を指摘し、審議の続行を求めた。

参議院内閣委員会で行われた参考人質疑では、憲法学者から本法の合憲性について論証が困難であるとの見解が示されるなど、専門家の間でも表現の自由や芸術表現への萎縮効果を懸念する声が根強く上がっていた。

これを受け、衆参両院の内閣委員会では、政治的意見の表明や芸術表現に対する萎縮効果を防止する観点から、法の趣旨および内容の周知徹底を政府に求める付帯決議が可決された。

今後、施行に向けたガイドライン策定や運用基準の明確化が、実務上の焦点となる見通しである。

エポックタイムズ記者。日本の外交をはじめ、国内外の時事問題を中心に執筆しています。