中国 2か月で34地域に広がる異例の「無言の抵抗」

「お化けが来る」 黒竜江34地域で商店が一斉閉店=中国

2026/07/11
更新: 2026/07/11

また「お化け」が出るらしい。

そんなうわさが広がると、地元の商店街は次々とシャッターを下ろした。

もちろん怪談ではない。店主たちが恐れる「お化け」の正体は、突然現れて店を検査し、高額な罰金を科す当局の取り締まりだ。

本紙でもたびたび紹介してきたように、中国では店主たちは皮肉を込めて、当局の取り締まりを「お化け」と呼んでいる。

そして今、その「お化け」が再び現れた。

中国東北部・黒竜江省では4月下旬から商店の一斉休業が相次ぎ、その動きは地域から地域へと広がった。6月末までに少なくとも34地域で商店が一斉にシャッターを下ろす異例の事態となった。

背景には、「当局の合同検査が始まり、高額な罰金が科される」という情報が商店主の間で広がったことがある。実際に数千元から数万元(数万円~数十万円)の罰金を科された店もあったとされ、景気低迷で苦しむ小規模事業者にとって、一度の罰金は経営を左右しかねない打撃だった。

そのため、多くの店主は「営業するより店を閉めたほうが安全だ」と判断。街では昼間にもかかわらずシャッターが並び、「貸します」「譲ります」と書かれた貼り紙が目立つ異様な光景が広がった。

当局は「大規模な検査は行っていない」と繰り返し否定し、宣伝車まで出して営業再開を呼びかけた。しかし、一度営業を再開した店が実際に検査や罰金を受けたとの情報も流れ、商店主の不信感はさらに強まった。その結果、「営業するより店を閉めたほうが安全」という判断が共有され、一斉閉店の動きは省内各地へと広がっていった。

店主たちの静かな抵抗を前に、当局が進めた大規模な「罰金による財源確保」は、事実上の頓挫に追い込まれたとみられる。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!