日印経済安全保障の新局面 高市総理がインド訪問 日本企業150社同行

2026/07/02
更新: 2026/07/02

高市総理は1日、政府専用機でインドの首都デリーを訪問した。今回の訪問は、国際情勢が不透明さを増す中で、基本的価値と戦略的利益を共有するインドとの「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」を一層強化することを目的としている。

出発前の記者会見:経済安保とクアッドの深化を強調

出発に際して行われた記者会見で、高市総理は今回の訪問の意義を、「戦略的協力関係の深化」「経済安全保障における協力の推進」「投資やイノベーションに向けた連携」の3点に集約した。特に、中国が経済的威圧や海洋進出を強める現状を念頭に、アジアの主要な民主主義国であるインドとの連携の重要性がかつてなく高まっているとの認識を示した。

令和8年7月1日、高市総理は、総理大臣公邸でインド訪問等について会見を行った(出典:首相官邸ウェブサイト)

また、今回の訪問には150社以上の日本企業の経済界関係者が同行しており、「日印経済フォーラム」の開催が予定されている。高市総理は、官民一体となって協力の裾野を広げ、強固なサプライチェーンの構築と「強い経済」の実現を目指す意欲を語った。さらに、日米豪印(クアッド)の枠組みを含めた「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現についても、モディ首相と深く議論する構えである。

両首脳によるSNSでの発信

デリーに到着した高市総理は、自身のXを通じ、「日本の総理として約3年ぶり、私個人としては初めてのインド訪問になります」と報告した。投稿では、経済安全保障やエネルギー安全保障といった喫緊の課題を中心に議論し、両国の相互補完的な協力を推進する決意が綴られた。

これに対し、インドのモディ首相も自身のXで応じ、「高市早苗首相、インドへようこそ」と日本語を交えて歓迎の意を表した。モディ首相は、翌日に予定されている首脳会談において、幅広い分野での意見交換を行うことを楽しみにしているとし、「両国が協力して、インド太平洋地域、そしてその先の平和、安定及び繁栄に引き続き貢献していく」とのメッセージを発信した。

訪問の背景と今後の予測

今回の訪問の背景には、2025年8月にモディ首相が来日した際に立ち上げられた「経済安全保障イニシアティブ」がある。重要鉱物などの分野での連携を具体化させることが今回の大きな焦点だ。今後は、日本企業のインドへの直接投資の拡大や、次世代技術におけるイノベーション協力が加速すると予測される。また、モディ首相との個人的な信頼関係を深めることで、安全保障面での協力も新たな段階へ進むことが期待される。

中国共産党への影響

日印の接近は、インド太平洋地域で覇権主義的な動きを強める中国共産党に対する強力な牽制となる。高市総理が会見で触れた「経済的威圧」への対抗措置として、日印がサプライチェーンの脱中国依存を進めることは、中国の経済的影響力を相対的に低下させる要因となる。また、民主主義陣営の主要国である両国が安全保障協力を強化することは、中国の海洋進出に対する抑止力を高め、地域の勢力均衡を維持する上で決定的な意味を持つことになる。

大紀元日本の速報記者。東京を拠点に活動。主に社会面を担当。その他、政治・経済等幅広く執筆。