中国「民族団結進歩促進法」に非難声明 日本の4議連が撤回求める

2026/07/01
更新: 2026/07/01

中国で7月1日から施行される「民族の団結と進歩の促進に関する法律(民族団結進歩促進法)」をめぐり、日本の4つの議員連盟は6月30日、同法を強く非難し、撤回を求める共同声明を発表した。

声明を出したのは、「中国による人権侵害を究明し行動する議員連盟」「日本ウイグル国会議員連盟」「日本チベット国会議員連盟」の超党派3団体と、自民党有志による「南モンゴルを支援する議員連盟」だ。記者会見で古屋圭司会長(自民党)は「とても民主国家としては容認できないような内容。議連として声を上げる必要がある」と訴えた。

「民族団結進歩促進法」は、2026年3月に中国共産党(中共)の全国人民代表大会(全人代)の閉幕に合わせて採決され、可決・決議され、あらゆる民族への差別や圧迫を禁じる一方で、標準語である普通話教育の定着を求めている。法案には「中華民族」の団結に反する言動について、海外の団体や個人も処罰対象となり得る内容を含んでおり、特に懸念されているのは、他国の主権を無視する「域外適用」の規定と、それに伴う「越境弾圧」の拡大だ。

新法の定義が曖昧であることから、日本国内での言論活動や研究活動を理由に、中国へ渡航した際に拘束される事態が想定されるという。山谷えり子参院議員はこれは日本国内における自由な言論や研究を妨げるものだと述べ、古屋圭司衆院議員も「私たち日本人にも直接影響する極めて重要な問題」であると強調した。

 

声明と記者会見では、新法について、「中華民族」や「中華民族共同体意識」の名の下に、ウイグル、チベット、南モンゴルなどの少数民族の自治権を制限し、独自の言語、教育、伝統、宗教といった多様性を否定するものだとの強い懸念が示された。

山谷氏は日本仏教にも大きな影響を与えた1300年の歴史を持つチベット仏教の存続の危機、南モンゴルにおけるモンゴル文字などの文化破壊、レアアース採掘に伴う深刻な環境破壊への懸念を指摘した。こうした動きに対し、国連の特別報告者や欧州議会など、国際社会からも強い非難と制裁を求める声が上がっているという。

また、日本に住むウイグル人、チベット人、南モンゴル人などに対し、中国の警察関連機関による威圧や監視などの「越境弾圧」がすでに行われているとし、新法によってこれがさらに強化される恐れがあるとの見方も示された。

会見では、約13年前に日本で世界ウイグル会議を開催しようとした際、当時の駐日中国大使から「身の安全は保障しない」という脅迫状が国会議員宛てに送られてきた過去の事実も明かされた。

さらに山田宏参院議員(自民党)は、中国共産党の命令によって運用される中国の法律の性質を指摘し、新法があらゆる思想、信条、自由を弾圧する道具になる危険性を訴えた。良心の囚人、すなわち思想や信仰を理由に拘束された人々に対する強制的な臓器収奪という人権侵害の疑惑にも言及した。

これに関連し、海外で臓器移植を受けた際の帰国時の報告義務化や、不透明な中国での移植手術に対する日本の公的医療保険適用の制限など、より踏み込んだ対策の必要性も提起された。

議員連盟は声明を通じ、自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配という普遍的価値を共有する立場から、新法に強い憤りを表明した。同時に、高市総理大臣が率いる現政権に対し、令和4年の衆参両院での人権決議に基づき、中国国内の人権状況のモニタリング強化と、日本国内における越境活動への警戒・対応体制の確立を求めた。

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。